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□我が儘は言えない
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『ただいまー…』


と言っても誰もいない家。
何年か前までは、大切な人がいて、ただいまって言うとお帰りって返ってくる。
そんな人はもういない。


『さて、夕飯でも作るかー』


玄関からリビングに入ろうとドアノブに手をかけたときに、何故か物音がした。
…空き巣?!

とにかく…誰か呼んで……。呼ぶ人がいない。
あー自分で入るしかないのか…。
決心してドアノブを捻り


『どなたですか!?警察呼びますよ!!』

「!!」

『警察……あれ、明王…』

「よお…なまえ」

『なんで…いる…てかどうやって家に入って…』

「これ」


明王の手にあったのは、私の家の合鍵。
その合鍵には私のケータイについているクマのキーホルダーと同じものがついていた。


『あ…返しに来てくれたの??』

「まあな、もう関係がなくなったのに合鍵を持ってるのはおかしいだろ。」

『…そっか』


そう、恋人だった。けど今は違うから合鍵を返しに来てくれた。

『ありがと。ねえ今どうせ暇でしょ?夕飯でも食べていきなよ』

「…じゃあそうするわ」


夕飯は肉じゃがと…まあ普通のものだった。明王曰く味が濃かったらしい。…そうかな…

そのあとは10年前の話とか、10年前のみんなは今なにをしているかとか喋っていた。ついでに明王ニート。


「なあ、なまえ。俺らもどらねえか?」

『は…?』


唐突すぎる。けど明王の目は真剣そのもので…。コイツ本気なの…?そして私は…どうしたい。
確かに明王と一緒にいて楽しいし、飽きない。だけど私はやりたいことがたくさんある。
仕事だって一生懸命やりたいわけだし。

でも仕事を理由にするなんておかしい…?


『わっ、わたしは…今、仕事とか色々あるし…ほら、私達終わったんだからもうそーゆーのおかし……、んぅ?!』


私は自分の意見を明王のキスで最後まで言えず、ただ終わるのを待った。


『あ、あき…』

「…わりい、帰る。飯うまかった」

『あきお!!』


ガタン…


びっくりした。まさか明王がそんなことを言ってくるなんて。その反面うれしさもあった。

仕事がどうこう言ったけど、本心は戻りたいのかな…


でも一度決めたことはもう変えない。

中学、高校ならコロッと意見を変えて寄りを戻していたかもしれない。
だけど私はもう24歳なんだ。

大人ってこんなに辛いんだね…



我が儘は言えない。

(その後明王を町で見かけたとき)
(彼はすごく幸せそうな顔をしていた)


つまり、一度決めたことはもう変えない!←これ今日の格言だろw難しいね24歳。 あーあ、文章まとまらなさすぎw

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