北の長い旅

□こたつとなべと2
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「早くっ、寒いからコタツ入ろ」

そう言って俺のマフラーを外すケンシロウ。

「ねっ」

極上の笑顔で小さく首を傾げた。




何なんだこの乙女な生き物は・・・







言われるがまま鍋をコンロの上に置き、コタツに入ると外気で冷えていた身体が温まる。


「ケン・・・?」
迷子のような声で彼の名を呼ぶ。
「なんだよ?」
返事をしながら鍋を椀によそうケンシロウ。

「はい」
そう言って椀によそったものを渡された。
「あ・・・うん。」
素直に受け取り美味しそうに煮込まれた野菜を眺めた。


何年ぶりだろう・・・こんな暖かいものに囲まれるのは





何年ぶり?


さっきまで俺は荒野しか広がらない世紀末にいて・・・






ここは崩壊する前に似た世界で

隣には片思いだった無口で無愛想で何を考えてるのか分からないケンシロウがいて




違う



‘ここにいるケンシロウ’は俺の知っているケンシロウではない



俺はレイ
それは間違いないと思う

それ以外は俺の知らない空間で・・・




考えて答えは出るのか・・・?
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