人形少女
□第1訓 何気感動的な会話してるけど、この子達犯罪者ですから
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静まりかえったターミナル。
船に張りつく子供が2人。
よく見ると、基本的な顔立ちは似ている。
違いは髪型ぐらいか。
団子のほうはキラキラした瞳、三つ編みのほうはガラス玉のような瞳をしている。
「本当にいいのか?」
三つ編みのほうが口を開いた。
「大丈夫アル。一応同い年ネ。そこまで心配することないヨ」
団子のほうが答える。
会話から察するに2人は双子らしい。
「ならいいのだが……。くれぐれも、危険な仕事には手を出すなよ」
「わかってるヨ」
相当な心配性なのか、何度も確認する三つ編み。
「じゃあ、頑張れよ」
「そっちこそ!」
2人はどちらからともなく、別れていった。
―――ちなみにこの2人、不法入国者である。