マジすか学園〜最もテッペンに近いチーム〜

□新年度
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馬路須加学園・美術室



数ある馬路須加学園のチームのテッペンに立つ最強集団ラッパッパに対抗出来る唯一の集団と言われるチーム……名をブラッドハザーズ



その拠点である美術室では主力メンバー六人全員がいつものようにくつろいでいた。


「暇だな」



リーダーのヒョウこと木崎丈。


「そうですね」



その恋人でチームの頭脳である丁寧口調が特徴的なイチゴこと向田茉夏。



「何か面白いことないかなぁ〜」



丈の双子の妹でチームのムードメーカーであるピースこと木崎ゆりあ。



「それじゃあ皆もこの子達と遊ぼうよ! ほらちゅりちゅり♪」



普段はこのように室内ですらいつの間にか呼びよせた鳥と遊んでいるが、やる時はその実力を遺憾無く発揮するチームのNo.2ちゅりこと高柳明音。



「遊ぶも何もその鳥達ちゅりにしかなつかないし、私達が触ろうとすると逃げるじゃん!
それより暇潰しならこんな風に踊るのが一番でしょっ?」



耳に掛けたヘッドフォンから流れる音楽に合わせて踊りを披露するダンスこと矢神久美。



「ちゅりもくーみんも自分達の好きなことやってるだけじゃん!!」



最後にハスキーボイスが特徴的なゴマ(又はおぎちゃん)こと小木曽汐莉。



バサバサバサ



その彼女の声により、明音が遊んでいた鳥達が全て外に飛んでいってしまう。



「あー!! ちょっとおぎちゃん! 皆逃げちゃったじゃん!」


「ご、ごめんねちゅり」



「まあまあ二人共、ケンカしないで踊ろうよ」



「「一人で踊ってろ!!」」



「ひぇ〜、なんでー(泣)」



空気を読まずに仲裁?に入った久美は二人に理不尽にも怒鳴られ半泣き状態となる。



「三人共何やってるんですか……(呆)」



三人のやりとりに額に手を押さえてやれやれといった感じな表情をする茉夏。



「あっ! そうそう皆聞いた? 2年に転校生が来るってこと!」



「転校生? ああそういや昨日も家で言ってたっけな、どんな奴なのか知ってるかゆりあ?」



「う〜ん、そこまではわかんない……ごめんねお兄ちゃん」


「別に謝る必要はねぇよゆりあ。
で、話は変わるが新入生でブラッドハザーズに入ろうと思ってる奴がいるんだったよな? 名前は確か……」



「木本花音。 近所の江須敬威(えすけいい)中学からうちに入学した新入生です」



「ねぇイチゴ、その子強いの?」



新入生……花音の話題に入り、汐莉がふと茉夏に聞く。



「一年にしては中々の実力者だと思いますよ?
少なくとも去年の同じ頃の私よりは強いです。
そうですね……同時期のゴマと同じくらいってとこですかね?」



「私と同じくらいかぁー」



「それじゃ既にダンスより強いってことだね!」



「えぇっ!? ちゅり、そこ強調して言うところ!!?」



去年と同時期の汐莉と互角の実力という茉夏の言葉に明音が反応し、その比較対象となった久美が非難の声を上げる。



「仕方ないよ、くーちゃんこの中じゃ一番弱いんだもん」



「うぅ〜、普段のお前も同じようなもんだろゆりあ〜(泣)」


「私は強い時はくーちゃんより遥かに強いのである(笑)」



「くぅ〜、ほんとのことだから言い返せないよ〜(泣)」



ゆりあも普段は弱いと言う久美に対し、彼女は華麗にそう言葉を返す。



「まあまあ、くーみんもたまには役に立つんだから泣かない泣かない!」



「全く慰めになってないよおぎちゃん……(泣)」



慰めるどころか逆効果な発言をする汐莉に久美は更に落ち込む。
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