オリジナル創作
□貴女の求めたものは
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レイヴィスが陣を出してから、学園内で彼女は急激に有名になった。
「うう、出来るだけ目立ちたくなかったのに・・・・・・
先生たちには期待の目で見られるし、先輩たちの視線は怖いし」
本人はというと、自分の名前が出回ってしまったことを嘆いていた。
隣を歩きながらティアはどう慰めたらよいものかと思索する。
「えっと、人の噂も75日、だっけ?そんな諺もあるからきっと大丈夫だよ」
「そうそう。気にすることないって。むしろ有名になったことを誇りに思いなよ」
ティアに続けて、キリノ。
一方レイヴィスははぁ、と肩を落とした。
「実力があって有名になるならいいけど、実力もないのに騒がれるって、かなり居心地悪くなるよ〜〜〜」
ティアもキリノもあわせて困ったような顔をする。
二人とも何とかしてあげたいが、どうしようもない。
「そういえばお兄ちゃんのクラスでもちょっと話題出たって言ってたな。
名前までは出なかったみたいだけど」
ポツリとつぶやいたティアの一言が、さらにレイヴィスにショックを与えた。
「うそ、高等部でも話したの?
先生もそんなの話さなくていいのに」
内心しまったと思うが時すでに遅し。
しばらくレイヴィスは学校には来たものの、出来るだけ目立たないように振舞っていた。