小説.
□青春の意味
2ページ/3ページ
「なぁ、」
無言で帰っていた。
好きな男と一緒に帰ってる、こんな気持ちは初めてだからだ。
「ん?」
「いや、得に用は無いんだが・・・、一緒に帰ってるのに何で話さないんだよ・・・。」
正直ショックだった。
豪炎寺から嫌われたらどうしよう・・・?
こんなシチュエーションで、豪炎寺はいつものように眉間にしわをよせているし。
「具合でも悪いのか?」
そういえばいつもは普通に話しかけてくる風丸の口数が減っている。
気になって、建物に風丸の体を押し付けた。
「ご、豪炎寺・・・っ!!??///」
ますます顔が赤くなる。
さっきよりも豪炎寺との顔が近い。天と地がひっくりかえったように頭のなかがクラクラする。
すると豪炎寺は風丸の額に自分の額をくっつけた。
ドキドキしすぎたのか、風丸は女の子のように体をねじらせる。何かを言おうとしたはずだが、言えないでいた。
「やっぱ熱なんだろ・・・?無理するなよ、ほら、家まで送るから」
そんな豪炎寺の顔を見て残念だった。
やっぱりいつもの顔だ