長い旅路

□出逢って僕等は。
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☆注意☆
これは「ナタク」の漢字が出ないために、カタカナで話を進めています。変換の仕方を知っている方はどうか教えてください。見つけ次第、こちらの方も修正致します。
それではどうぞお読みになって下さい。







『お前の代わりはいないってことじゃん。それってスゲくない?』

『―――だって俺ナタクに会いに来たんだ。』





生まれて初めて目にしたのは、大きくて明るい夜空の太陽。周りの全てを包み込むような。金色に似ていて手が届きそうなほど。星々がとても小さく見えた。


連れてこられた“天上界”っていうトコロは皆が無愛想な顔をして俺を見た。俺がいた“下界”ってトコの方がウサギとか鳥とか・・・たまに人とか、すごく生きてる感じがしたんだ。
金禅には怒られてばっかだった気もするけど一度も金禅を嫌だとは思わなかった。天ちゃんもケン兄ちゃんも一緒に遊んでくれたし。
それより何よりつまんなそうなこの世界でこんなにも心が弾むのは、お前と出逢ったからだと思うんだ―――・・・ナタク。

友達が出来たのなんて初めてで、「スゲェ」とか「またな」って笑ってくれて。今度会ったらあの時言えなかった俺の名前、言わなくちゃって思った。今度はいつ会えるかな・・・?




産まれた時のことは覚えてなくて、生まれた時には機械だらけのこの場所なんて見慣れてた。薄暗くて“光”と言える光なんてどこにもなかった。


いつも目にしていたのは俺が生まれた機械の数々と、俺に微笑む父上のあの眼。そして「異端」だの「化け物」だの「殺人人形」だの刻むかのように小言を言う兵士の奴等。お前等みたいな大人がいるから・・・!!
腐り果てた中に一人いたその“太陽”が、俺に朝をくれたんだ。初めてだった。こんなにも楽しいと、嬉しいと思えるなんて。
本当に素直に喜びってヤツを感じたんだ。

目が覚めるまで傍に居てくれたり、「会いに来たんだ」って言ってくれて。俺の言ったことも「嬉しかった」ってさ。
アイツの名前付いたかな?聞いたら絶対に忘れない。

忘れないくらい、呼んでやる―――・・・。





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