けいおん?〜今の自分にできること〜
□揺れる心のムスタング
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利吉「先ほどから俺の周囲をうろついていたな。痴漢の類かと思えばスリだとはな。」
友久(あ、痴漢の意味もわかってないのね。)
男「わ、悪かった!ほんの出来心だったんだ!」
友久「アンタも合わせなくていいから。で、どーするよギリちゃん。」
ため息を漏らした呆れ顔を披露しながら利吉に問い掛けた。
利吉「警察に突き出したいところだが、俺にも都合がある。今回だけは見逃してやる。」
男「ま、マジで!?」
利吉「あぁ。今回だけだがな。だから消えろ。」
男「わ、わかりました〜!」
男は利吉から逃れるようにして慌ててライブハウスから立ち去った。
友久「おいおいおい、いいのかよ!?勝手に逃がして!」
利吉「良い訳ではない。しかし、俺が社会的に目立っては更に良くないことになる。」
友久「どんなだよ?」
利吉「早死にしたければ教えてやる。」
友久「んじゃいりませ〜ん。」
利吉「賢明だ。では戻るぞ。」
友久「へ〜へ〜。」
事を治めた二人は再び窮屈な人混みに紛れに行った。