けいおん?〜今の自分にできること〜
□揺れる心のムスタング
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友久｢あ、それとも一つ〜。｣
人混みに揉まれながら辛うじて利吉に声を届かせた。
友久｢最近ライブ中にスリをやらかす奴がいるみたいだから気ぃつけな〜。｣
利吉｢スリ？スリとは何だ？｣
友久｢え？マジで！？とまぁお前の生活環境からして当然か。｣
傭兵相手にスリを行うものなどいない。
もちろん戦場で命のやり取りをしている最中、
見るもいかつく頼もしい傭兵から金品をくすねる馬鹿者もいない。
利吉の何事への警戒心も国の文化や生活になじまない限りは鞘なしの刀である。
友久｢まあ、どさくさに紛れて人様の財布を盗ってっちゃう悪〜い人のことさ。｣
利吉｢なるほど。つまり……｣
グリ………！
男｢イタタタ！？｣
利吉｢こういうやつのことか？｣
利吉の左手は男の右手を回してはいけない方向に容赦なく回していた。
友久｢あー……ギリちゃん、とっても引きが強いのね…。｣
ここでは他の客に迷惑がかかると、三人はライブ会場を後にした。