けいおん?〜今の自分にできること〜

□別の世界
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澪「私に構うな。」


澪はポソリと囁き、
前を向いて歩き出した。


律「待てよ。」


そんな澪を律の言葉が追った。


律「そんな顔して片桐に会うのかよ?」


律の言葉に背中を掴まれるように澪は足を止めた。

澪「悪かったな。こんな顔で。」


澪は不機嫌そうに答えた。


律「どうせならもっといい顔しろよ。」


澪「知らないよ。いい顔なんて……」



律「私は知ってるぞ?澪のもっといい顔をさ。まずケーキ食べてる顔だろぉ?あと演奏中の顔。それからぁ…」



その後も律は知る限りの色々な顔の澪を伝えた。

極力唯達と目を合わさないようにしていたが、
時に唯達の笑い声が耳に入ることもあり、
聞いている澪が恥ずかしく感じることもあった。




しかし、




嬉しかった。




そんな律にようやく澪は助けを求めた。



澪「じゃあ…どんな顔して会えばいいのかな?」

律「…………」


律は言い掛けてたことを喉元で止め、
澪の質問に耳を向けた。

澪「私のせいで片桐くんは……帰ったんだよね?私のせいで片桐くんは傷ついたんだよ…ね?そんな私が……今更どんな顔してアイツに会えばいいんだよ……!」


澪はうつむき、
声を震えさせた。

今まで心の中で叫んでいた言葉。

実際に口に出すと悲しさや悔しさが抑えられなくなっていくのを感じた。

律「そんなの決まってんだろ?」


澪「…………」


澪は顔を上げ、
律を見た。
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