書いたもの

□帰省
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その日ルキアは、早めに書類を済ませ、普段より半刻以上前に十三番隊舎を後にしていた。
理由は一つ。一月ほど前に現世に出張していった恋次の出迎えをするためだ。
一月も離れ離れで、正月さえも愛しい人と共に過ごせなかった彼女にとって、この日は大変待ち遠しい物だった。
「む、もうこんな時間か。急がなければ間に合わぬかもしれぬ…」
などと呟き顔をしかめながらも、恋次との再会を思うとどうにもにやけてしまい、結局なんだかよく解らない妙な顔になってしまう。それでも幸せを噛みしめていた。
幸せ、だったのだ。
あの知らせを聞くまでは。
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