書いたもの

□手作り
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「あのパピヨンが?料理?まひろ、それ本当?」まさか、とヴィクトリアは思った。
「うん!本当だよ。それもすっごく美味しいの!」
「まっぴーの言う通り、本当に美味しいわよ!」
「あのお味噌汁のおだしはプロ級よ。」
まひろ、沙織、千里の表情からして嘘ではないらしい。
「…私は、食べたことないわよ?」ヴィクトリアがやや苛立ったような口調になる。
まぁその気持ちも分かると言うもの。付き合っている、とは言わずともソレに近い間柄である(少なくともヴィクトリアはそう思っている)男の手料理を、自分は食べたことが無いのに友人たちは食べたことがあるというのだから。そりゃ苛立つね。うん。
「えー、せっかくパピヨンさんと付き合ってるんだから作ってもらえばいいのにー。」
「だ、誰があんな変態と、つつ、付き合ってるって言うのよ!」
実際、彼女たちにもたべさせた手料理を作ってくれないなんて、向こうは自分のことなんてなんとも思ってないのかも知れないわね…、とヴィクトリアは内心泣きそうになっていた。
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