日和
□現実は何処?
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「天国。」
「次の人どうぞ」
「え〜と…君も天国。」
「次の人どーぞ」
あぁ…いつまで続くんだ
「ん〜…君は…地獄だね。」
「なんでだ!?いやだ!頼む!!
地獄は嫌だあぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
そう言われてもねえ?
「なんで…なんでお前に決められなきゃ
いけねぇんだっ!?」
「貴様!大王に向かって…」
「だよねぇ、俺も思うよ。」
「…大王?」
「代わってあげようか?」
「え…」
「俺が地獄行ってやるからさ、
代わりにお前が閻魔大王やってよ」
「ほ…本気で言ってんのか!?」
グサッ
鬼男の爪が閻魔に刺さった
「何言ってんだ!この大王イカ!
早く地獄連れてってください!」
周りの鬼が男を地獄に連れて行く
「あーぁ…行っちゃった」
「ホンっト馬鹿ですね!!」
「本気だったんだけど」
「はぁ!?地獄行きたいんですか!?」
「天国でも地獄でも
゛閻魔大王 ゛でなくなるなら
何処でもいい」
閻魔の表情はいつもと同じだ。
いつもと同じヘラヘラした顔だ。
だが鬼男は気付いた。
真っ赤な瞳の奥に淀んだ黒を。
「何かあったんですか」
「べっつに〜?
いつも考えてる事だし」
閻魔はそう言って
セーラー服に着替えた。
「なんでだぁぁぁ!?
なぜそこで着替える!?」
「悩んだらセーラーだよ!
鬼男君もどう?」
「死ねぇぇぇっ!イカ野郎!」
「ぐはぁぁぁぁ」
「もう、なんなんですか!」
゛いつも考えてる事 ゛
鬼男の心に閻魔の言葉が引っかかった。
閻魔は相変わらずヘラヘラしている。
しかし瞳の奥の闇は消えていた。
「要するにぃ〜
仕事疲れたってこと☆
鬼男君、休憩しよー!」
「…は?そんな理由?
心配して損したわ!!ボケ!」
鬼男は閻魔を爪で刺すと
怒ってどこかへ行ってしまった。
あーぁ…
ほんと疲れた。
後何千年、何万年
俺は生きなければならない?
死ねたらどんなに
幸せか
殺してくれよ
誰か俺を地獄へ落として