律と澪の部屋

□ダイエット!
3ページ/11ページ

なんだか澪がすごくしおらしいので、つい茶化したくなる。
「ねぇねぇ、澪?ちょっと考えてみるとさ?澪は誰からの視線を気にしてた訳?」
「私は構わないからそんな風には見てないのにさ。他の誰かからも好きになってもらいたかったってことだよねー。」
私はぐふふふ、と悪どい笑いを浮かべた。

「え?そ、そんなことないよ、特定の誰かじゃなくって一般的な話で・・・」
「でも『誰か』だよね?つーことは、澪?これは浮気じゃなくって?」
「え、え?違う!違うよ!私は律一筋だよ?」

「うふふ。浮気しちゃった悪い子はおしおきだなっ。」
「浮気じゃないもん。惚れ直したって言っただろ!」
「惚れ直したってことは、もっともっと好きになる余地があったってことじゃん?」
「だ、だって、私、毎日毎日どんどん律のこと、好きになってるもん。」
うおー、嬉しい。でも澪をからかう私は止まらない。
「ほんとにぃ〜?」
私は別に。澪をからかって困らせたかっただけだったのだけど。
「うるさい!ばか律!」とか言われてぽこーん、と殴られて終わりにするつもりだったのだけど。

澪は俯いて。
「・・・いいよ、じゃあ。無理なダイエットして心配かけちゃったし。おしおきって、何?」
そう言うと不安そうに私を見上げた。

そう言われると私は、言葉に詰まってしまう。
ほんとに「おしおき」なんてするつもりじゃあ・・・
でも。何を言われるのか心配そうにしている澪を見て、たまらなくなった。

虐めたい。困らせたい。・・・めちゃくちゃにしたい。

「・・・あ、あのさ。この間、聡からビデオ借りた時、間違えて持ってきちゃったヤツ、あったよな?」
澪はすがりつくような瞳で。
「あ、あのお尻でされちゃうやつ?やだっ!絶対あんなのできない!恥ずかしくて死んじゃう!」
私はこれ以上ないってくらい優しく微笑みながら。
「分かってないなぁ。だからおしおきなんじゃないか。」
「やっ、やだやだ!ヘンタイ!スケベ!イジメっ子!」
そんなこと、ここまで煽ってから言われてももう止まれないよ。
そっぽを向いた澪を後ろから掴まえて。
「ふふっ。愛があるから全部OKだよ。」
ぎゅうって抱きしめて。
「澪のこと、うんと可愛がってあげたいんだよ。ダメか?」
熱い吐息がかかるように耳元で囁いて。
「…ず、狡いよ、そんなの。」
追い討ちをかけるように脇から両手を回してやわやわと胸を揉む。
耳たぶをはむって甘噛み。
澪は困ったように眉根を寄せて。
「・・・優しく、だぞ。いきなり激しくとか、絶対だめだからな。」
澪の可愛い降参を聞く頃には、もう私は夢中になってる。
「うんうん。優しくするする。澪が可愛すぎて我慢できなくなったらすぐ言うから。」

遊んで欲しい時の仔犬って多分こんな感じ。
もし私に尻尾があったら千切れそうな位振ってる。
そんな私が可笑しかったのか、澪はちょっと微笑んで。
「・・・ふふっ、じゃあ・・・いいよ?キモチ良くしてね?」
なんて。破壊力抜群のお誘い。
・・・わおーん。
「ゴメン、澪!」
ぱしん!と両手を合わせる。
月の光を浴びてしまった子犬はあっという間に狼に変身した。
「もう無理!可愛い過ぎて我慢できなーい!」
私は言うや否や澪に襲い掛かった。
「ばっ、ばか!いくら何でも早すぎるだろ!」

誰のせいだと思ってるんだ、全く。
「もう辛抱たまらんぜぃ!あきらめな、お嬢ちゃん!」
「ちょっと待て、そこだめっ・・・やっ、やぁん、だめだっ・・・てばぁ・・・」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ