ぷらいべーと

□とある金曜日に起きた出来事
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「かんぱーい!」
私は後輩子ちゃんを美咲さんのバーに連れて行って。
私はジントニック、後輩子ちゃんはフローズンダイキリ。
後輩子ちゃんは嬉しそうに、こつん、とグラスを合わせた。
「・・・かんぱーい。」
いつもツンツンの後輩子ちゃんが今日はデレデレで。
私は調子がつかめずにノリ遅れていた。
「うふふふー。」
そんな私を意にも介さず、にっこにこの後輩子ちゃんは、くぴくぴとカクテルを飲んで。
「嬉しい。また先輩の秘密、分かっちゃった。」
「ひ、秘密なんて。そんな大したものじゃないよ。」
「いいの。」
後輩子ちゃんは私の瞳をじっと覗き込んで。
「どんなちっちゃな事でもいいから。先輩のコト、もっと知りたいの。」
私の顎をつい、と捉えて。
「・・・教えて、くれる?」
わ、わわわ。
「こっ、後輩子ちゃん・・・」
私はきょろきょろ、と辺りを見渡して。
「この店っ。いい雰囲気でしょ?」
無理矢理話題を変えた。
「・・・うーん。」
後輩子ちゃんはあたりをぐるり、と見渡して。
「可愛い娘がいっぱいですね。先輩が好きそうな娘がいっぱい。」
きゅ、って私を睨みつける。
「私が好きそうな、って・・・どんな?」
私は喉がカラカラで。思わずジントニックを煽る。
後輩子ちゃんは、んー、って唸って。
「・・・まず胸が大きい娘、でしょ?」
ぎ、ぎく。
「それから。お尻の柔らかそうな子。」
ぎくぎくっ。
「あと、鎖骨にもこだわりがある、でしょ?」
・・・ま、まさか『ほぉかご症候群』読んでるんじゃないでしょうね?

「う、うぅ。な、なんで知ってるの?」
ふ、と後輩子ちゃんは鼻で笑って。
「分からないんなら、教えてあげません。」
禅問答みたいなコトを言った。
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