ぷらいべーと

□2回目のバレンタインに起きた出来事
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「ん、んむ・・・」
私は気が気じゃなくて、目だけであたりを懸命に伺う。
ふ、と後輩子ちゃんと目が合って。
ぎゅ、って抱きしめられて、『集中して!』って睨まれる。
後輩子ちゃんの舌がせわしなくチョコの塊を転がして。
溶けたチョコ越しに私の舌をくすぐる。
こっ、後輩子ちゃん・・・これは、でも・・・
後輩子ちゃんのまっすぐな思いに応えられない私は思わず舌を引く。
ふは、と一旦離れた後輩子ちゃんは。
「せんぱい・・・これはチョコ食べてるだけですから。」
切なげな目をして私を狂わせる。
「ねぇ・・・それでも。ダメ?なの?お願い。食べさせて?」
今度は私の唇にチョコを咥えさせて。
ちゅ、って吸い付く。
2人の舌の間でまたチョコがとろける。
甘い。
・・・分かってる。これは毒。
後輩子ちゃんが私に仕掛けた毒だ。
飲んじゃ、だめ。
頭では懸命にブレーキを踏んだけど。
カラダはもう止まらなかった。
ねと、って後輩子ちゃんの舌が私の舌に絡みつく。
私はチョコを舐めとるようにして、その舌を優しく包む。
すんすん、って後輩子ちゃんが切なげに鼻をならして。
私はそっと後輩子ちゃんの舌を吸い上げてやる。
「んむ、んぅー・・・」
後輩子ちゃんは眉をひそめて、小さくくぐもった声を出す。
でもチョコはもうとっくになくなってしまって。
口実を失った私達は唇を離した。
「・・・ごちそうさまでした。」
ぺろ、って後輩子ちゃんが唇を舐める。
「・・・うん。おいしかった。ありがと、後輩子ちゃん。」
後輩子ちゃんの唇が再び近づいて。
「・・・せんぱい、唇にチョコ、ついてますよ。拭いてあげますね。」
「後輩子ちゃんだって。」
私達は名残を惜しむようにキスをして。
わずかに唇に残るチョコを舐め合った。
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