ぷらいべーと

□ナイトプール(とその準備)で起きた出来事
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「いいよ。いつ、行く?水曜日、定時退社だから、会社終わったら、でいい?」
ウチの会社にも定時退社なんて制度ができて。
水曜日は定時になると追い出される。
「あ。はい。あの、せんぱいっ・・・」
後輩子ちゃんはそっと唇を寄せて。
「・・・せっかくだから、お互いの水着を選んで買いません?」
他の人には聞こえないようにひそひそ、って耳打ち。
「・・・え?みず、ぎを?」
私は思わず後輩子ちゃんを見上げて、口の中でつぶやく。
・・・ははぁん。これはきわどい水着を買って。恥ずかしい思いをさせるつもりだな。
ちょっと頭を巡らせて。
・・・とはいえ。お互いのを選ぶ、ってことは、私にも反撃のチャンスがあるってこと。
「いいよ、後輩子ちゃんっ。水曜日、だよねっ。」
「はい、先輩。楽しみですー。」
ひょい、と隣の同僚(同僚子ちゃん(仮名))がパーティションから覗いて。
「あんたたち、ほんと仲いいわねー。」
後輩子ちゃんはひょこ、と頭を下げて。
「あ、ごめんなさい。うるさかったですか?」
「んーん。大した事ないけど・・・楽しそうだったから。」
「だったから・・・妬けた?」
私はふざけた風を装って、後輩子ちゃんの腰を抱く。
「や、やだっ、せんぱいっ・・・くすぐったいっ。」
後輩子ちゃんはもそもそと悶えながらも逃げる気配はない。
同僚子ちゃんはやれやれ、と両手を広げて。
「・・・別に妬けないけど。あんたたち、もしかして、付き合ってんの?」
ひくん、と後輩子ちゃんの腰が緊張する。
私は、きゅ、とその腰を抱きしめて。
「もっちろんよ。ねー?後輩子ちゃん。」
「え?え?せんぱ、い?」
うろたえる後輩子ちゃんにそっとウインク。
「いつも言ってるじゃない。愛してる、って。」
「え、あ、は、はいっ。」
同僚子ちゃんはまたやれやれ、とため息をついて。
「はいはい。いつも言ってるわねー。」
私はこんな時のために。
常日頃から、男の子も女の子も構わずナンパするスタイルを貫いている。
もちろん冗談めかして、だけど。
まだ真っ赤になっている後輩子ちゃんの腰を開放してやって。
「後輩子ちゃんは特別なんだよ!可愛いから!」
・・・うん。全く嘘、言ってない。
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