みんなの部屋

□夏合宿!
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作者注:
このSSは性格上、視点がころころ変わります。−−−−−という印は視点が変わった印。切り替わった視点でお楽しみ下さい。


軽音部恒例の夏合宿。
最大のスポンサーだったムギ先輩の卒業で、開催があやぶまれたこの催し。
「うふふ。今年は大人数になると思ったから、別荘の予約、張り切っちゃった。」
こうして。
恩那組、放課後ティータイム、わかばガールズ合同の酒池肉林・・・もとい、一意専心の合宿が始まった。
「ねぇねぇ、梓。楽しみだねぇ、海。」
「・・・遊ぶ気マンマンでしょ、唯さん。そうはさせませんからね。わかばガールズには練習が必要なんですから。」
「うんうん。楽しみだねぇ、海。」
・・・ぜーったい練習するんだから!

−−−−−
「すげー・・・ほんとにお嬢様だったんだな、ムギ。」
晶が呆然として言った。
「これって、13人で借り切っていいレベルなんですか?」
純が呆れたようにつぶやく。
「いや・・・いつも驚かされるけど、これは別格。」
私は目の前の光景が今ひとつリアルに感じられなかった。
目の前に広がるのは小さなホテルと言っても通用するような建物。
奥に見えているのはゴミ一つ落ちていないプライベートビーチ。
「・・・てか、ここ、ほんとに日本か?」
「律っちゃん。メイドは敢えてつけなかったんだけど・・・このくらいの規模になるとお給仕係くらいはつけた方がよかったかしら?」
ムギが心配そうにつぶやく。
「えっ?い、いや、いーよ!ほら、料理はまたバーベキューやったらいいだろ!その方が気楽だし。」
私はムギに笑いかける。
「そう?よかった。・・・みんなー!まずお部屋に荷物置いてきましょう。」
ムギがにっこり笑って。
「部屋割りはもちろん律っちゃんと澪ちゃん、唯ちゃんと梓ちゃんでしょ?純ちゃんと憂ちゃん、菫ちゃんと直ちゃんね。菖ちゃんと幸ちゃんと晶ちゃんは3人部屋がいいわよね?」
ムギは3人の方に向き直って。
「大丈夫。特注で3人が愛・・・もとい、寝られるキングサイズのトリプルベッドを用意したから!」
「・・・マジかよ。トリプルベッドって普通、シングル×3の事じゃないのか?」
晶がさっそくツッコむ。
・・・いや、ツッコミどころ、そこでいいのか、晶?
「まぁ!お気遣いいただかなくてもダブルで十分だったのに、ねぇ?」
菖がいつものようににしし、と笑う。
「そうね。きっと折り重なるように寝るから。」
幸がぽそり、とつぶやく。
晶はようやく気付いた様子で。
「なっ・・・何を考えてるんだよ。」
菖は晶の耳元に唇を寄せて。
「うふふ。今、晶が考えてるようなコトよん。」
幸は逆側から。
「・・・楽しみね、今夜。」
晶は真っ赤になって。
「しっ しないぞ?普通に寝るだけだからな!」
幸と菖は目を合わせて楽しそうに笑う。
「「しないって・・・何を?」」
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