律と澪の部屋

□ダイエット!
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それは寒い寒い土曜日の朝。
私は珍しく朝すっきりと目覚めて。
ご機嫌で食卓に座って雑誌を読みながら、澪が起きたらどこかデートに行こうか、なんて考えていた。
背中の方で、澪がベッドから這い出してくる音がする。
私は雑誌から目を離さないまま、背中の恋人に声をかける。
「おはよ、澪ー?」
「うん・・・おはよー・・・」
「朝ごはん、どうする?パン?ご飯?」
「うん、いいや・・・いらない。」

私は澪の方を向いてお説教。
「こーら。朝ごはん食べないと力が出ないぞー?」
澪は真っ青な顔をして。
「り・・・つ、ごめん、肩貸して。」
言うなり私にしなだれかかってきた。
「うおっ、どうした、澪、大丈夫かっ?」
慌てて椅子から立ち上がって私より背の高い澪を支えてやる。
「う、うん。大丈夫。・・・ベッドから立ち上がったら、ちょっとふらふらして・・・気持ち悪い。」
「ちょ、ちょっと待て。一旦ベッドまで戻るぞ。」
澪はほんとに力が入らないみたいで。私は澪を支え切れず、かろうじてベッドに倒れこむ。
「ふー。なんとかなったな。」
澪は真っ青な顔で荒い呼吸をしている。
「・・・どうした。貧血、かな?」
確か保健で習ったぞ。・・・えーっと。
私は自分の枕を澪の足首の下に入れて、足を高くしてやる。
「大丈夫か、澪?ゆっくり深呼吸してごらん。」
素直にすー、ふー、と上下する胸にちょっと安心した。
体を寄せて手を握ってやる。
「うお、冷たっ。」
澪は荒い呼吸のまま。
「・・・うん。寝てる間におふとんの外に手とか足が出てるとすごく冷たくなっちゃうんだ。」
私は澪の手を自分の胸に掻き抱いて、そのままベッドに潜り込んだ。
「私があっためてやるよ。ほら、足も絡めていいから。」
「え?う、うん。」
澪はおずおずと足を絡めてきた。
すべすべの気持ちいい澪のふくらはぎ。でもほんとに冷たくなっちゃってる。
「なぁ?冷たくないか?」
心配そうな澪の声。
「ばか。辛い時くらい私に頼ってもいいだろ。いいから。気にしないで冷たくなっちゃってるとこ、貸してみな。」
私の方から動いて、澪の手足をからめて暖めてやる。
「これからもあっためてほしい時は遠慮すんなよ!ムギほどじゃないけど私だって澪をあっためてやることくらいはできるからな!」
「・・・うん。うん。ありがと、律。あったかくて気持ちいい。」
しばらく澪の頭を撫でてやりながら、軽くキスしたり、きゅっと抱きしめたりしていちゃいちゃしてた。
大分、手足は暖まったみたいなので、私はベッドから出る。
「まだ起きちゃだめだぞ。ゆっくりしてて。いい物作ってやるから。」
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