律と澪の部屋

□Our Never Ending Song
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明日はクリスマス。
和がちょうど明日東京から帰ってくることもあって、私達はパーティをやることになっていた。
いつもの5人にさわ子先生に憂に純に和。久しぶりに勢ぞろいだ。
ちょっと狭いけど、例によって私達の部屋が会場に選ばれた。
「ん・・・これでよしっと。」
「律ー?そっち終わった?狭いからツリー、ベランダに出しちゃおう。手伝って。」
「おーう。」
レンタルの大きめのツリー。クリスマスの主役には申し訳ないけど、明日は大人数だから君は外だね。
せーの、でようやく持ち上げてベランダへ運ぶ。
日も落ちて外は真っ暗。外に出ると冷たい空気に思わず震え上がる。
・・・と。見上げる先に白いふわふわの物が落ちてきた。
「うわぁ・・・」
早々にツリーを置いて空を見上げる。
「雪だぁ・・・」
空から、ふわりふわり。綿状の大きな雪が黒い空から降ってきた。
「積もるといいな。ホワイトクリスマスだ。」
隣にいる律も白い息を吐きながら空を見上げてる。
「きれいだな・・・」
私はしばらく寒いのも忘れて落ちて来る雪を見ていた。
「・・・ああ、ほんとにきれいだ。」
すぐ横に律の視線を感じる。
ふと見ると律はいつになく、真面目な顔で私をまっすぐに見つめていた。
「ふへっ?・・・や、きれいって、そんな、ばか、お前・・・」
冷たい空気に私の顔だけが熱くなる。
あれ?・・・でもこれって「・・・雪が」とか言ってからかわれるパターン?
ところが律は全くの真面目な瞳。
や、だめ。そんなに見つめられたら私、溶けちゃうよ。

「ねぇ、澪?」
「はっ、はいっ!」
律は慌てる私に優しく微笑む。
何?なにこれ?なに、この雰囲気。

「早めだけど、澪にクリスマスプレゼントあるんだ。みんなの前じゃなくて二人きりで渡したいんだけど、いい?」
「・・・え?・・・ほんと?嬉しいな、何何ー?」

私は律に促されるまま、部屋に入り、テーブルに座る。
律はキャンドルに火を灯すと部屋の電気を消した。
あ、あれ、てっきり明日用だと思ってたけど、このためだったんだ?

「わぁ・・・素敵だね、こういうの。」
「これもプレゼントに含まれてるから。」
「へぇ・・・何かな。楽しみ。」
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