律と澪の部屋

□ちゅ。
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なんだかここのところ、律の様子がおかしい。
部屋に戻ってくるのが遅いし、戻ってきてもすぐ寝ちゃう。
私は帰ってきてそそくさとベッドに入ってしまった律に聞いてみた。
「ねぇ、律。今日、どこ行ってたの?」
「へっ?」
「最近さ、なかなかデートもできないじゃん。なんかあるの?」
「い、いや。何にも?大したことじゃないって。」
「嘘。ここのところ、ずっとだぞ?もう2週間になるんじゃないか?」
「え?そ、そうかな。色々野暮用だって。今日は、ほら、昔の友達に練習の参考になりそうなドラムのスコアもらいに行ってたんだ。」
「・・・そう。」
・・・ばかりつ。今日は手ぶらで帰ってきただろ。
嘘つくんならもっと上手についてくれればいいのに。
涙、出ちゃいそう。
でも、律が言いたくないんなら、きっと理由があるんだろう。
大丈夫、律を信じなくっちゃ。
良い子の私がわがままな私をなだめる。

律はそのまま寝てしまうみたいだったので、私もパジャマに着替えて、部屋の電気を消して、一緒のベッドに潜り込む。
「・・・ねぇ、律?」
律の背中にそっと寄り添って。
律の髪をかき分けて、彼女の弱点の一つである耳をはむって甘噛み。
「・・・まだ、おやすみのキス、もらってないよ?」
わざと熱い吐息がかかるように耳元で囁く。
そのまま、耳の穴を舌先でつついたり、耳たぶをちゅうって吸ったりして、おねだり。
律はくすぐったそうに身を縮めると、がばっ!と振り向いて私を押し倒す。
私の額に、ちゅ。ほっぺに、ちゅ。そして唇には長めのちゅう。
もっと、って求めようと思ったら。
なのに、律はふい、と離れて。
「ごめん、澪。明日も朝早いバイト入れちゃったんだ。」
良い子の私はガマンして。
「そっか。じゃ、しょうがないな。」
「おやすみ、澪。」もう一度、唇に、ちゅ。
「ん・・・おやすみ、律。」
・・・ばかぁ。もう火点いちゃったのに、どうしてくれるんだよぅ。
わがままな私が頭の奥でつぶやく。
ほんとに疲れてたみたいですぐに律の寝息が聞こえてくる。
そっと律に寄り添うと律のいい匂いが鼻をくすぐる。

・・・だってしょうがないじゃない。
わがまま言って困らせたくないし。
えっちな娘だって思われたら恥ずかしいし。

暗闇の中、律の匂いに包まれながら。
そっと左手を自分のショーツに入れて。中指を女の子のとこに這わせてみる。
お前のせいだからな、私がこんなにえっちになっちゃったの。

意識をそこに集中して、必死に律の指を思い出す。
「んっ・・・くぅん・・・っ、ん・・・」
律に恥ずかしい声、聞こえちゃわないように右手の指の背を噛んで、ガマンする。
・・・だめ、だよぅ。
りつのが。りつのがほしいよぅ。
わがままな私の声を頭の奥で聞きながら。
「んっ・・・んふぅっ、んぃっ・・・んんっ、んんんぅ・・・」
良い子の私は、律に聞こえないように声をガマンしながら悶えた。
こんなんじゃ・・・全然足りないよぅ。
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