律と澪の部屋

□ちっさいのも好き!
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「ふぃー。やっぱ実家はくつろぐなー。」
私は久々に実家のお風呂に浸かりながら、つぶやいた。
ちゃぽん。

「母の日くらい家に帰ってきなさい。」
お母さんに言われて、赤いカーネーションを買って、お母さんの好きなケーキを買って。
お母さんから帰ってきなさいって電話があった時、私は隣で裸んぼのまま、ころころしてる、私の恋人を誘ってみた。
「なー。澪も一緒に来ない?」
澪は色々と頭の中で考えて。
「・・・やめとく。律のマ・・・お母様に変に思われたら、嫌だからな。」
寂しそうに、にこ、って笑う。
「変?どうして?」
「・・・だって。幼馴染みってだけなのに、ついてくるって。変だろ?」
澪はちら、と上目づかいで。目で『抱っこして?』っておねだりしてくる。
私は右腕で腕枕をしてやって、きゅ、って抱き締めて、あやすように長い黒髪を撫でてやる。
「くふン・・・」
澪は満足そうに鼻を鳴らして、居心地良さそうに私の腕の中にすっぽり収まる。
「変じゃないよ?『お嬢さんを僕に下さい』って言えばいいんだよ。」
「え、えええっ?」
澪は形のよい眉を寄せて。
「む、無理だよ、そんなのっ。」
真っ赤になって顔を伏せる。
「・・・りつ、が言ってよぅ・・・お願い。」
また上目づかいで。

澪はファンクラブができるくらい、みんなからかっこいいと思われている。
だけど、ほんとはさみしがりで人見知りで甘えんぼで。
私にだけ、情けない声で甘えてくる。
だから私は澪の「おねだり」を断ったコトがない。

「そーだなー。じゃ、大学卒業したら、私が澪の両親に言ってやるよ。『お嬢さんを僕に下さい』って。」
「えっ?」
「あれ?・・・嫌?」
澪は全力でぶんぶんって首を振って。
「ううん。・・・嬉しい。」
きゅ、ってあらためて私に抱きついて。
目で『キスして?』って伝えてくる。
私はちゅ、って唇に軽くキスして。
「ふふっ。そんな事、言わなくても分かってたろ?」
答えを待たず、今度は澪の唇を割って、舌を挿し入れる。
「くぅ、ふぅん・・・ぅむン、ふン・・・」
澪は甘えたように鼻を鳴らして、私に全てを委ねる。
たっぷりと澪を舐め回して、唇を離す。
「・・・ぅん、あン・・・」
もっとキスしてほしそうにぺろ、って澪の舌が唇を舐める。
「・・・あのね、言わなくっても伝わるけど。」
「言葉にしてくれると、もっと伝わるの。もっと嬉しいし、その・・・」
「・・・もっと感じるの。」
目がうるうるって潤んで。『もうガマンできない』って伝えてくる。
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