唯と梓の部屋

□素直になれない。
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「・・・ねぇ、梓?」

それは二人でお部屋デートしていた時の事。
私は完全に甘えんぼモードで。
「なんですか、唯さん。」
唯さんに抱っこされて、くつろいでいた。
ほっぺをくすぐる唯さんの髪がくすぐったくって。
振りむいて、ちゅ、ってキスをする。
こんな姿、わかばガールズのみんなに見せたらなんていうかな。
・・・いいもん。二人だけの秘密。

「・・・手、見せて?」
「へっ?」

唯さんの唐突なお願いに私はきょとんとして。
「いいですけど・・・なんでですか?」
「え?・・・そ、そのぅ・・・そう!ちょっと手が冷たいから、暖まりたいんだよ!」
唯さんはあからさまに動揺して汗をたりたりたりと流した。
・・・嘘のつけない人だなぁ。

「じゃ、じゃあ・・・でも、ムギ先輩ほどあったかくないですよ?」
唯さんは私の手を取ってふにふに。
「ふむ。ふむふむ。」
暖まるって言ってた割には、すかしたり、しきりに指を揉んだりしてる。
「あの・・・唯さん?」
「梓の手ってかーわいいねー。」
私はすっごく照れ臭くなって。
「・・・どうも。あの。・・・もういいです、かね?」
唯さんは、はっと何かに気づいて。
「もっ、もうちょっとっ!」
慌ててまた私の指をいじってくる。
「んー・・・よくわかんないなぁ。」
唯さんはいきなりぱく。と私の指を咥えた。
「ちょっ、唯さんっ。・・・あんっ。」
唯さんの舌が指に当たって。
柔らかい粘膜の感覚が伝わってくる。
「ん。ひょっとふわえてみらくて。(ちょっと咥えてみたくて。)」
「や、やぁん、咥えたまま、しゃべらないでくださぁい。」
唯さんの舌がれろれろれろって。
私の指をまさぐる。
ちゅぽんっ。
私は刺激に耐えきれず、指を引っ込めてしまった。
「ああーん、もうちょっと〜。」
唯先輩は私の指を引き抜いた、口をすぼめたままで襲いかかってくる。
「とっ、当初と目的が違っちゃってるじゃないですかっ。」
「いいからいいから。もうちょっとだけ。」
唯さんは執拗に指を咥えようとする。
「だっ、だめです。ギタリストの指先は繊細なんですからっ。・・・あああん、だめぇ。」
唯さんの舌は執拗に私の指先を追いかけてきて。
「ああん、ああん、唯さんっ・・・」
ヘンな気持ちになっちゃうよぅ。
唯さんは突然満足したようにちゅぽん、と私の指先を離して。
「うん。これでよしっ・・・と。」
「え?」
私は中途半端に火をつけられて。
「え?もう・・・終わりですか?」
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