唯と梓の部屋

□二人っきり!
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「みんな、今日はありがとーっ!」

ステージの上の唯さんは、ほんとにかっこいい。
「や、やっぱり先輩方、すごいですね。」
「本当。すごい迫力。」
隣で菫と直がつぶやく。
今日は放課後ティータイムのライブに、わかばガールズのみんなと来ていた。
今度の学祭に向けて刺激になれば、と思って。
「へへーん。当ったり前でしょ。放課後ティータイムと言えば本番に強い事で有名なんだから。きゃー!澪せんぱーい!」
無駄に胸を張る純。
「純が威張ることじゃないでしょ。しかも微妙に褒めるポイントおかしいし。」
「・・・お、お姉ちゃん、がんばれー!」
真っ赤になって憂が応援してる。

・・・あれ?

「純。憂。あんたたち、そういうのはいいの?」
「へ?」
「何が?」
きょとん、とする二人。
「いや、だって。『きゃー!澪せんぱーい!』とか『お姉ちゃん、がんばれー!』とか。」
私はちょっと赤くなって。
「やきもち・・・妬いたりしないの?」
憂と純は顔を見合わせて。
「まっさかー。これはあくまでファンっていうだけだから。」
「妬いたりしないよー。応援してるだけだもん。」
「「ねー?」」
二人はそのまま、抱きついてキスしそうだったから。
「こ、こらこらっ。あんまり人前でいちゃいちゃしないのっ。」
「「えー?」」
不満そうな二人の視線の先を追うと。
「あ・・・だめ、でした?」
気まずそうな直。
菫に至っては向こうを向いてあわててシャツのボタンを閉じている。

「最後の曲はみんなで歌うよーっ!!・・・Come with me!」

私はステージの上で弾ける唯さんを見上げて。
・・・唯さぁん。
私もいちゃいちゃしたいよぅ。
心の中で哀願した。

最近、純と憂だけじゃなくて。
直と菫までなんとなくいい雰囲気になって。
いちゃいちゃしてるのを見るとたまらなくうらやましくなる。
しかも私も唯さんもライブを控えて忙しくなって。
ここのところ、ろくに会う時間を取れなくなっていた。
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