律と澪の部屋

□ちゅ。
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次の日。

今日も大学の講義が終わるとどっか行っちゃった。
今日は放課後ティータイムのみんなと練習する日なのに。
「今日は休む。ごめん。」ってみんなにメールしてどこかに行っちゃったみたい。
前は必ず「○○に行ってくる。」とか「澪も一緒に行こうぜ!」とかだったのに。
どこに行ってるんだろう?

「はぁ・・・」
遅れないように早めにスタジオに着いた私は待合室の机に頬杖をついたまま、ため息をつく。
「どうしたの、澪ちゃん。なんか元気ないわね。律っちゃんとケンカでもした?」
同じように早くついたらしい、さわ子先生が声をかけてくれた。
さわ子先生は時間がある時はムギと一緒に練習に来て、たまには参加してくれるようになっていた。
顔を上げるとさわ子先生と幸せそうに腕を組んで寄り添うムギ。

私はたまらなくうらやましくなって。
「うぇ・・・うぇぇぇん。」
どんどん悲しくなって。声を上げて泣いてしまった。

「ど、どうしたの、澪ちゃん。」
ムギが慌てて駆け寄ってくる。
私は机に突っ伏して。
「り、律に、飽きられちゃったよぅ。」
「もう、律は私の事なんか好きじゃないんだぁ・・・」
つぶやいたらどんどん涙が出てきた。

「落ち着いて、澪ちゃん。何があったの?」
ムギはハンカチを出して私の涙を拭いてくれる。
「・・・ひっく。えぐっ。だって、律が、律がぁ〜。」
「飽きられちゃったってそんな。熟年夫婦じゃないんだから。」
さわ子先生がつぶやくとムギがそれを睨みつける。
「さわ子さん、めっ。」
ムギは私の頭を撫でながら。
「落ち着いて、澪ちゃん。大丈夫よ、律っちゃんが澪ちゃんのこと、嫌いになるなんて絶対ないから。」
さわ子先生も向かいの椅子に座る。
「・・・分かったわよぅ。何があったの?話してごらんなさい?」
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