律と澪の部屋

□あなたにお熱。
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「・・・どっ、どうせ、大きくて冷たい手ですよー。」
どうしよう、律が可愛すぎて、どうにかなりそう。
私は懸命に悪態をついて目を逸らす。

「ううん。」
律は目をつぶったまま、すりすりって頬ずり。
「澪の手が大きいのはね、指が細くて長いから。手の平は私とあまり大きさ変わんないんだよ?」
熱を持った柔らかい律のほっぺがキモチ良すぎて。
私は思わず律に目を落とした。
すると律は弱々しく、潤んだ瞳で見上げてきて。
「私、澪のゆび・・・だーいすき。」
ぱく。
私の人差し指を咥えて。
熱い舌で、ちろちろって舐めてくる。

・・・。
お・そ・わ・れ・たいのっ!?

ぞくぞくぞくって、背筋を駆け上がった衝動を優しい笑顔で隠して。
「・・・こーら。いいから、ちょっと寝たほうがいいぞ。」
私は自由な右手で律の頭を撫でてやった。
「んー。みお、ありがと・・・だいすき。」
律は氷のうが心地いいのか、うにゅうにゅ、って何かつぶやきながら、うとうとし始める。

・・・食べちゃだめ。
だめよ、澪。
いくら可愛いからって風邪で弱ってる恋人を襲うなんて絶対だめ。

「π=3,1415926535897932384626433832795028841971693993751058209749445923078164062862089986280348253421170679・・・」
私は必死で円周率を唱えて雑念を振り払おうとした。
「ううン・・・みおぉ・・・。」
律が柔らかい手できゅ、って握りしめてくる。
π・・・ぱい・・・りっぱい・・・
律のちっちゃくてスレンダーな裸体が浮かんで。
『澪のえっちっ』
可愛らしく、べー、って妄想の律が舌を出す。
「!!!・・・〜〜〜!」
雑念を振り払うどころか。これじゃあ全くの逆効果。

「だめ。だめよ、澪。そんな娘じゃないでしょ。」
私はぶんぶん、って頭を振って。
古文の変格活用を思い出す。
「こ、き、く、くる、くれ、こよ。」
『く、くる・・・来ちゃうよぅ・・・』
私の頭の中の律は、白いカラダをくねらせて悶えてる。
「せ、し、す、する、すれ、せよ・・・」
『みおぉ・・・ま、まだするのぉ?』
うるうるって、えっちに潤んだ瞳の律。
「な、に、ぬ、ぬる、ぬれ、ね・・・」
ぬる・・・ぬれ・・・
「わぁぁぁ!今のなし!今のなし!」
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