律と澪の部屋

□いつもずっともっと一緒の・・・
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――――――
ダム。ダム、ダム、ダム。
「・・・っひゅうっ。」
私はダブルチーム(バスケで二人で一人のプレイヤーに対してディフェンスすること)にきていたディフェンスを一息でぶち抜いて。
・・・ぱさ。
ゆったりとレイアップでシュートを決める。
「律ー!ナイッシュー!」
私は駆け寄ってきたチームメートの和と、ハイファイブを決めて男前のスマイル。
球技大会のバスケットボール決勝。
「・・・くっそ。律にばっか、やられてんじゃないか!マーク、しっかり!」
相手のクラスはバスケ部のレギュラーを3人揃えてて、強敵だ。
スポーツの中でも、私は特にバスケが好き。
ドリブルしてると、ドラム叩いてるのと同じで、リズムでカラダが痺れてくる。
「きゃー!律ー!かっこいいー!」
「律、すごーい!」
「律様ー!愛してるー!」
私は応援してるクラスのみんなに手を振って。
「・・・り、りつー。」
小さな声で応援してる私の恋人にもそっとウインク。
内気な私の恋人、澪はひくん、ってなって。
嬉しそうに顔を赤らめてうつむく。
ああ。ああ、可愛いなぁ。

私はドリブルのリズムを8ビートから16ビートに上げて。
・・・決めた。澪のために何がなんでも勝つっ!

愛しい恋人の方をちらり、と確認すると。
心配そうな顔で両手をぎゅう、って握りしめてる。
そんな顔すんな。今、澪がじゅんってなっちゃうヤツ、決めてやっから。
味方からボールを受けた私は、時計を確認した。
あと24秒。点差は2点。負けている。
「・・・上等。」
リズムをさらにあげて、32ビート。
そしてチェンジダウン、すぐにまたチェンジアップ。
「ダダダダン、ダダン、ダ、ダダンダン♪」
私はリズムを口ずさみながら、相手陣地に切り込んだ。
そしてバスケ部のレギュラーがダブルチーム。
「懲りない、ねぇ。」
ディフェンスに来てるその娘がにこ、って笑って。
「ごめんね、律。素人相手に申し訳ないんだけど。」
目の前の4本の手の横から、突然さらに2本の手が現れた。
「うわっ・・・きったねぇっ!トリプルチーム!?」
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