文章

□お腹がすいたので
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また傷が増えた。
数時間前から今この瞬間まで、自分が何をしていたのか全然覚えてない。またバクラに乗っ取られたらしい。


「ああ!!すごく不快!!」


僕しか居ない部屋で君に聞こえるように言ってみる。
どうしたって僕は君に勝てない。
僕がねちねちと小言をほざいたって君は平気な顔で無視できる。
心の部屋に閉じこめてがんじがらめにして、出られないように頑張れば、倍にしてやり返す。もう君ってやつは本当に最悪で最低。
むしゃくしゃして、こんなに苛ついてるなんて僕らしくないと思いながら冷蔵庫の中のシュークリームを思い出す。苛ついたら甘いモノだよね、うん。
気をとりなおしてひんやりとした中を覗けば空っぽ。あれ?おかしいな?シュークリームどころか食べ物が殆どない。リアルに空っぽな状態。いくら独り暮らしと言えども冷蔵庫をこんな状態にしておくことなんてめったにない。原因が僕じゃないなら思い当たるのは一人だけ。バクラ。


「誰かさんがシュークリームを食べたせいで僕の食べるものがないや。死んじゃうかも。折角三千年かけて見つけた君好みのかわいい器の僕だけれど、もうそれもおわりかも。残念だったねバクラ。」

大きな声で語りかければ視界が薄れていく。作戦通り。
心の部屋に入ってくつろぎながらめんどくさそうなバクラの顔を想像してニヤニヤする僕も君に似て大概性格が悪い。


―――――

この後バクラはお買いものに出かけます(笑)
バクラは性格が悪い
獏良は腹黒い
盗賊王は柄が悪い
いつか、この二人と盗賊王のお話も書きたいかもしれない

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