文章
□空の隅っこから愛を叫ぶ
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※十代君出てきません
「もうちっと俺が早く来てりゃなぁ…」
隣でルビーが首を傾げる。いやいや、ごめんな、俺の独り言なんだ。そう言って撫でてやる。
絵に描いたような底抜けに明るい空と蒼い海。
あーちくしょう。潮風が目に染みる。
「ヨハン?どうかしたのか?」
遠くから俺を呼ぶのは小波。俺のベストパートナー。ただし片想い。
そう、アイツのヒーローは俺じゃないんだよなぁ…
もう少し、あと、ほんの少し俺が小波に早く出会っていたら…
「…勝てる気がしねぇー」
「お、珍しいな?ヨハンが負けるなんて」
違う、違うよ小波。いや、違うくないけど違うんだよ。
そのまま砂の上に倒れ込む。視界の隅に慌てて駆け寄ってくる小波が見える。
「なにやってんだよ、ばか」
「ばかはお前だばか」
俺の顔を除き込んでる小波の赤いコートの端を掴んで道連れにしようとする。
それを両手を地面につくことで阻止する小波。
「なにすんだよ」
「小波を道連れに」
「汚れるじゃんか」
「気にしない」
「気にならないのはお前だけだろ」
ぱんぱんと手に着いた砂を払って俺に差しのべる。
本当に何も気にしてないのはお前だけだって何で気づかないんだろうな、こいつ
―――――
小波くんモテ過ぎて辛いヨハン
小波くんの本命でもなくて辛いヨハン
タイトルは絶望系普通の子のキャラソンから