文章

□ほら、よく吸って
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「…くるしい」
「じゃあ呼吸をすればいい」


"じゃあお前が手を話せばいい"そう、抗議しようと思ったけれども震わせる空気が足りなかった。
冷たい甲冑が頬に当たる。同時に首が解放される。


「やっぱり十代なんだな」
「覇王だ」
「でも、十代だ。」


頭の後ろに回された手が俺の額をぐりぐりと甲冑に押しつける。
無表情な覇王が照れているのが感じて取れて、背中に腕を回す。
こっちの十代は少々照れ屋なようで、抱きしめ返しただけで驚いたようだ。カチリと微かに甲冑がぶつかる音がする。


「さあ、いつもの十代に戻ろうか」
「それは無理だ」
「何故」
「小波が好きだから」
「言いたいことはそれだけ?」


"いつもの十代じゃ俺に言えない事とか、出来ない事とか、あるんじゃない?"何も言わない覇王を挑発する。
それでも一向に覇王は口を開かない。


「覇王十代、君は優しいよ」
「馬鹿げている」
「だって、俺がお前とこの距離にいる時点でお前は俺の事押し倒すなり力でねじ伏せるなりできるじゃんか。」
「…」
「首まで絞めておいてさ」
「…」
「俺の事、消せないのは臆病だから?」
「違う。」
「だから、覇王。君は優しいんだよ。」


覇王は俺の見たことのないような十代の顔をする。いつの間にか捕まれていた右腕の覇王の手に力が籠る。
また甲冑が額に当たる。俺は呼吸が出来ない。目の前に覇王の顔がある。
お互いの歯が当たる。


「長い」
「とりあえず、これが今までの十代が出来なかった事のひとつだ」
「息くるしい」
「じゃあもっとちゃんと吸えばいい」
「何をだよ」
「解釈は小波に任せる」
「なんだよそれ。」


首を絞められた時同様、酸素が足りない。ふらふらとしながら立ち上がる。
そろそろ本題に入ろう。
デュエルディスクを構えると覇王は悲しそうに笑った。


―――――

覇王が完全に別人格って訳じゃなくて十代+覇王÷2が二十代みたいな考え方をした結果

なんだか長い文章が書けない・・・

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