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□赤白カーネーション
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「母の日はまだ先だよ?」

きょとんとした顔で宿主が言う。俺たちの手にはそれぞれ赤と白の花束。

花屋で宿主にプレゼントしようと花を見ていたら軒先でばったり盗賊の俺と遭遇、宿主の取り合いで口論になった。
今思い返して見れば凄く恥ずかしいノロケ話のドッジボールだった訳なんだが、そんなことはいい。大事な事は凄まじい値段で買わされた馬鹿高い蕾だらけの花束だ。
俺たちを見かねた店主のジジイが店の奥からそれを出してきた時は流石に目を丸くした。蕾だらけのソレは花束なんて呼べるような代物じゃなかったからだ。
一言ジジイが"好きな子の為に花束も買ってやれないのかい"と言えば俺たちは二人して直ぐに財布をだした。

「空気の読める花ねぇ…」
「俺様は信じるぜ。」

鼻で笑う、盗賊の俺が早足になるのにつられて俺まで早足になる。

「信じないんじゃないのかよ」
「お前に負けるのは気にくわない」


飛び込むように家にはいる宿主に花束を差し出したのはほぼ同時だった。


赤白カーネーション


(空気を読める花?)
(って聞いた)
(なんでカーネーションなんだろうね)
(さあ、盗賊心当たりあるか?)
(ねぇよ)
(僕が後で調べてみるよ)
(おう)
(よろしく)


―――――

後で調べてカーネーションの花言葉に熱愛があることが判明するけど二人には言ってあげない宿主
はくしゅにしそこねたもの

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