気まぐれ時々マジ

□#2
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放課後。

「あれ、あっちゃんは?」

「舎弟とやらとさっさと帰っちまったぞ。」

前田と帰ろうと教室にやってきた千紗。

だが前田は先に帰っていた。

「そか。追いかけよっかなーどうしようかなー。」

「つーかなんであんなやつと友達になろうとしてんだよ。」

パンジーに聞かれると千紗は「面白いから!」と言って教室を出て行った。

「何だソレ。」

「相変わらず千紗節絶好調だな。」

アキチャとウナギは呆れてため息をついた。





















「敦姐、チョコレートパフェとチョコレートサンデーって何が違いますんやろ?」

「パフェはアイスクリームがトッピング、サンデーはアイスクリームにトッピングだよッ!」

ずーっと前田に話しかけている前田。

「へぇ、そんなんか……ってお前!」

ちっとも答えない前田は黙々と歩いて行く。

その代わりに千紗が答えた。

「ちぃだよ!」

「お前…友達とか図々しいねん!まずは舎弟からやろ!」

怒るだるまに対し、千紗は「そんなの知らないもんね!」と言って前田の隣を歩いた。

「…矢場久根だ。」

前から走ってくるボロボロの矢場久根生を見て千紗は呟く。

それを追いかけていた人物は前田に気付いて追いかけるのをやめた。

「あれ?誰かと思ったら噂の転校生の前田さんじゃないですかぁ。」

「こんにちは。」

前田は普通に挨拶を返す。

「おい…グハッ」

だるまが何か言おうとしたが蹴とばされる。

「こんな所で会えるなんて奇遇ですねぇ。すっごいお強いんですってねぇ?」

前田は挑発には一切乗らずに立ち去ろうとする。

だが、相手の片方にバッグを投げ捨てられてしまう。

「なにコレ…弁護士だって…すごぉい。」

挑発してきた方がバッグからはみ出した参考書を拾う。

「…『介護士』です。」

チーン

間違いを指摘されて怒ったのか、挑発に乗って来ない前田にイラついたのかその本の1ページを破って捨てた。

だが、それに対しても無反応の前田は参考書とバッグを拾って去って行った。




















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