06/03の日記
10:26
【キセキ】最終話
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―――病院へ向かう途中、雅紀の意識がなくなった
俺は病院に着く間ずっとぐったりとしている雅紀を抱きしめ、涙を流しながら雅紀の名前を叫び続けていた
それでも雅紀から返事は返ってこなくて……
―――イスに座り俯いている俺の前を先生や看護師さん達が慌ただしく通り過ぎていく
どうしてだろう…
周りはうるさいはずなのに、何にも聞こえない
「翔くん。大丈夫…大丈夫だよ。相葉ちゃんは助かるから…」
そんな俺の隣で智くんはずっと俺の肩をさすってくれていた
―――「あ……あぁ…うあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
そんな言葉、聞きたくない!!
「翔さん!?」
3人は突然叫びだした俺を見て驚いていた
でも、叫ばずにはいられなかった
叫ばないと…自分が壊れてしまいそうで…
―――「そんなことをしても相葉さんは喜ばない!!相葉さんが望んでる事はなに!?翔さんが傷つく所なんてみたくないよ!?」
「じゃぁどうすればいいんだよ!?こうでもしないと……壊れてしまいそうで…。もし雅紀がいなくなってしまったらと思うと怖くて…」
俺は膝の力が抜け、その場に座り込んだ
「翔くん……」
「なぁ…俺はどうすればいいの?雅紀の為に何が出来るの…?」
―――「先生!!雅紀は!?雅紀は助かりますよね!?助けてください!!あいつを失いたくないんです…先生……お願いします…」
と先生の身体を揺らしながらそう叫んだ
俺は
“安心してください”“大丈夫ですよ”
そんな言葉を期待していた。
―――「先生っ絶対、絶対雅紀を助けてください!!先生なら、助けてくれますよね!?」
「………………」
「先生!!!」
嘘でもいいから“はい”って言ってくれよ!!
安心させてくれよっ!!!!
―――雅紀……!!
やめろ…やめてくれ!!
まだ諦めないで。
生きることを諦めないで……
俺は信じてる
雅紀がまた笑顔で俺に抱き着いてくれることを…信じてるよ
でもお前が諦めたら…。
「ハァ…ハァ…雅紀……っ」
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