マギ

□お酒は二十歳になってから
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「だから言ったのに」
カシムの声が聞こえた。
「ひっく・・・おえ・・・」
アリババはいつものようにカシム達と酒を飲んでいた。
「ガキの癖に飲みすぎなんだよ、バカ」
「お前が…飲ませたんだろ…ひっく、ていうかぁガキっていうな!」
しゃっくり交じりの言葉に、カシムは呆れていた。
「お前…もう寝ろ」
「やぁら…まら寝ない…」
呂律がうまく回ってないし、しかも顔が赤い。
(うわぁエロい)
「なんらよ…ひっく、カシムは俺に寝てほしいってのかよぉ…」
「そうじゃねぇけど…」
やっぱガキに酒出しちゃ駄目なのかな、とカシムは思った。
「ったく…しょうがねぇな。ホラ、部屋まで連れて行ってやるよ」
「やらぁ…もっとカシムといたい…」
その時、カシムの瞳孔がカッと開いたけ。
が、一瞬で元に戻した。
「あっれぇ?取り乱しちゃったぁカシム?」
ザイナブが茶化す。
「う、うっせえ!!とりあえずコイツ部屋運ぶから!!」
そうして、ギャーギャー騒ぐアリババを担いで部屋まで連れて行った。

「はぁ…じゃあまた明日な…おやす」
「一人にするなよ…カシムぅ」
まだ何かあるのかと言わんばかりにカシムは振り向いた。
「一緒に寝よう…?」
「ブッハ」
カシムは目を見開いて噴出した
「ばっかお前…!!」
「ともだちだろ・・・?」
友達っていうかホモ達になりそうなんだけどどうすればいいんですかアリババさん
「ぐ…わ、分かったよ…お前が寝るまでだぞ?」
「うん」
カシムはアリババと一緒に寝転がった。
身長的にアリババはカシムの胸のところに顔をうずめるような体勢になっていた。
(コイツちっせぇな…)
「んう…カシム…」
「あ?」
アリババは寝ていた。
「はっやいな…よし、行くか…」
ベッドから降りようとした瞬間にアリババの顔をみた。
「…!」
(かわい…い…)
「しょ、しょうがねえな・・・朝まで一緒に寝てやるよ!!!」

結局アリババを抱きしめるような格好でずっと寝ていた。



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