普通の夢

□これからもよろしくしてほしい
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俺は友達と2人でよく行く公園のブランコに座っていた。


「――――」
俺が、その友達に1番伝えたかった大切な事を言う。
「――――」
友達の返事が返ってくる。
「………そっか…」
俺は、ある程度覚悟していた望まない友達の返答に、涙が出そうになる。
そいつには見せたくなかったから、俺はブランコから立って、そいつに背を向けて見えないように泣いて、腕で拭った。

「…じゃあ」
それだけ残して、俺はさっさとこの場所から立ち去ろうとした。
けれど、意識が朦朧としていて3歩歩いて倒れる。
友達がブランコから立ち上がり、俺の名前を何回も呼んで、俺を抱え起こそうとした。

――来んなよ。…俺の名前を呼ぶな――

歯を食いしばって目で訴える。

それでも、そいつは心配してる顔して俺の顔を覗きこむ。

――お前が原因なんだぞ…もう触れないでくれ――

なぜかこんなことを思った気がする。
俺とそいつの会話の内容は俺自身には聞こえてこなかった。

こんなことを思っていても、わかってた。
俺とそいつになにがあったのかは知らないが、

きっと俺は、こいつとこれからも関わっていきたかったんだってこと。


この夢を見る前に、俺が自転車乗ってたとき、そいつも自転車に乗っていた。

そいつはスッと俺を抜いて行った。
そいつは多分俺に気づいていない。


友達好きにもつらいものがある。



最後に言うけど、倒れたのはわざと。
倒れたかったから倒れたんだ、実は。
そして、名前を呼んでほしかったんだきっと。
でもそれも嘘!
呼んでほしくなんてない。
いつでも二律背反になるから
ややこしいよね。

そいつのこと好きだけど、ずっと隣にいたら僻んじゃうんだろうなぁ、俺。

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