普通の夢
□太陽の光
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白い1部屋だけの建物(離れ)に、俺と、仲間と、兄貴。
ここは敵の陣地だ。
俺たちは、監禁されていた他の仲間を助けるため、此処に潜入した。
まずはここで作戦の確認、
の前に、敵がいないかを確認。
俺と数人の仲間はその建物の出口の扉の近くに、兄貴と残りの仲間は、出口から1番遠い、隅に居た。
「なにっ爆弾…!?」
兄貴は俺を見て叫んだ。
「〇〇――――!!!!!逃げろ!!!!!!!」
俺は、そんな、兄貴を置いて…!と思ったが、兄貴の切迫した表情と声に、俺はとっさに扉からその建物転がるようにして出た。
「俺らの分までお前は…!!!
ドブアアアアン
「兄貴イイイイイィィィ――――!!!」
兄貴と一部の仲間を収納したその建物は、兄貴たちと共に爆破された。
建物は、兄貴はおろか、土台まで木端微塵だった。
「あ…、兄貴………」
俺はクラクラする意識で、もう原形はとどめてはいないが、その建物に入る。
そして、兄貴が居たであろう場所に目をやる。
多分それは時限爆弾で、秒数が残り少なく、扉から遠い自分達は無理だと悟ったのだろう。
俺は、その時の兄貴の顔が忘れられない。
どうにかして助けたかった。
そして、その時の、兄貴のすぐそばにあった窓から射し込んでいた神々しい日光が
とても憎い。
俺は悲しみで仲間を置いて走った。
走った。
その後、泣きながら堤防からその敵の陣地を見ると、
仲間が手足を拘束されて拷問にあっていた。
助けにいかなきゃいけないとは思ったが、
ショックすぎて、俺はそこから仲間が傷つくところをじっと眺めることしかできなかった。
END
俺の名前を呼ばれたとき、〇の中はHNにしようかと思ったけど、ここには、俺の本名しか合わなかったから、〇〇にした。
こんなに名前を叫ばれたのは初めてに思えて、嬉しかった。
のに、嬉しくなれるわけがなかった。
※俺に兄貴はいません