普通の夢

□タイムリミット
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旅の途中、俺はしばしば青のボールと白のボールを見つけた。机の中、引き出しの中など簡単には見つからない場所にそれはあった。
きっとこれらはこの旅のイベントの必須アイテムなんだろうなと思いながら、あえてそれを拾おうとはしなかった。

この旅には時間制限がある。
残りの時間が少なくなってきたころ、
俺たちはゴールの半分にも達していなかった。
そうこれは旅
終わりにしようと思えばそれがゴール。
しかし俺はここで終わりにしようとは全然思っていなかった。

ある教室に入った。残りの制限時間的に、ここにある関門をくぐれば終わりだろう。

一枚の木がある。それには、数えきれないほどの穴が開いている。
「…これ、あのボールをはめるのか?!」
「……持ってないぞ」

急いで辺りを見回すと、白と青のボールがいくつか転がっている。
が、数が足りない。


「ちくしょ…!!」

「こうなったら!!」
俺たちは、自分の赤血球を青いボールに、白血球を白いボールに変える能力を持っている。その能力を使うと、体内の大半のそれがなくなってしまう。

俺はそれを使った。
手のひらを板の方向に向け、力を込める。
すると、勢いよく血が吹き出し
貧血になりよろける
倒れそうになったとき、

「駄目!それやったら死んじゃう!」
突然、見知らぬ女性が教室に入ってきて
突然、俺を突き飛ばした。
「それをやったら死ぬから、私がやる、いいから、私がやるから…」
彼女は、憑かれたように何度も呟き、
ついに実行した。
ブシャアと悪い音が響き、辺りが真っ赤に変わった。
「〇〇(名前)ーーー!!!」
(ここで名前を叫べたということは、知っている人のはずなのだが)
そして当事者はあっけなく息絶えた。
「おい、〇〇!〇〇ー!!!」
俺たちが焦る後ろで、彼女の血液がボールに変わり、板にはめ込まれていった。
脳裏によぎるミッション通過…


俺が振り返ると、板に1つだけ穴が開いたままだった…

ボールは、あろうことか、1つだけ足りていなかった。

俺の顔が青ざめる。
俺たちが、最終手段と思っていた技は、とんだ間違いだったらしい。


ビーーーータイムオーバーです。

しかし、彼女の死で俺たちが先に進めることを心のどこかで思っていたことは、間違いではない――――

やっぱりあの時、拾っておけばよかった


END
本当は続きがあるんすけど、いろいろな意味で書ける内容じゃないので、これで終わりにしますf(^^;
ありがとうございました

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