普通の夢 vol.2

□死神は泣いた
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ガコン、ガコン、ガコン。

「?」

不可解な音で、俺たちはやっと、魔の星から目を離した。
音の元を見ると、仲間の1人が扉を何度も閉めていた。

「なにしてんだ?」
「いや…この扉、閉めても勝手に開くんすよ。」

(…怖い。)

彼がもう1度扉を閉めた。途端、キィ…と小さく耳に嫌な音を出して扉が開いた。

(これはこれで面白いけど…。)

そして俺たちは解散した。
体育館を出たときに、技師さんが俺に向かって言った。

「扉が勝手に開くなんて、まるでですね。」
「なんだ?」
「幽霊ですよ。」
「…そうだな。」
そして帰り道、俺は、仲間の女性2人と共に歩く。1人が、顔色がとても悪い。足もフラフラしている。

「大丈夫か?…ほら。」

手を差し出したが、いい、と断られた。

(…ちょっとカッコつけようと思ったのに。)

どうしたんだろうと思い、もう1人の女性に意見を求めようとした。
驚くことに、その女性も、顔色がかなり悪く、覚束ない足取りだ。

「おい、顔色悪いぞ?どうした?」
「ふふふ!あなたも、悪いわよ。」
「え!」

そう言えば、自分の体が冷たい気がする。

「まるで、みんなして死神にとり憑かれたみたいだね。」

そうだな。その言葉、…死神。
ぴったりだ。



END
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