普通の夢

□心
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丸い眼鏡を掛けた、ふわふわとした雰囲気の女性が1人。
隣には、でかい動く着ぐるみ。

なんだこいつは。
このでかい動く着ぐるみ…は、(太郎と呼ぶことにしよう)白熊というには生気がなさすぎる。生気というか、リアル感。まさに、着ぐるみのようだ。
しかし、動き、感情もある。ただし、人間の言葉が話せない。

2人(?)はどうやら親しい仲だ。一緒に住んでいるらしい。女性は上機嫌で、今日の出来事などを太郎に話している。太郎もふんふんと相槌を打つ。
家に着いて、寝る準備をする。2段ベッド。下段が女性で上段が太郎だ。(どう考えたって太郎下段だろ!底が抜けるぞ!とは思った。)
寝る前のお喋り。
「今日ね、幼なじみと会ったの。すごく久しぶりで。嬉しかったな〜。生活パターンが一緒でね、起きるのも寝るのも同じ時間だったんだ〜。懐かしいなぁ!」

この言葉を聞いた太郎は、考えた。
女性の1日の活動と、幼なじみの1日の活動を表した円グラフが頭の上に浮かんだ。そして、それが重なり、一致。
どういうわけか、この事から、太郎は、女性と幼なじみが同居していた!という結論を出し、頭に手を当てて、わあぁと慌てた。(幼なじみは多分女性)
と、女性が上段に上がってきて、太郎の目の前にしゃがむ。微笑んで一言。

「幼なじみの話してたら、なんだか寂しくなってきちゃった。ね、今日は、一緒に寝よう?」

太郎の頬が赤くなった。

あ、こいつ。このひとが好きなんだな。
太郎の性別はわからない(というか、ない?)けど。そうだね。関係ないね。
不器用で天然な微笑ましい出来事に、俺(空気)は心があたたかくなった。

おわり

太郎って……………一体何なんだろう。
ちゃんと生きてる?
もしかして、ホントに着ぐるみで、中に誰か入ってる?
このひと雰囲気タイプだな〜いいな〜。
とか思った。ごめん。

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