夢日記小説

□境目
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バタンッ、バタンッ、
「ちがう、これもちがう、ちがう!!」
「これじゃない!!!」

いっそ全てを見ないともう気がすまない。
そう思えて一心不乱にドアノブを回す。
きっとそうだ。俺は狂ってるんだ。俺はきっとそれと恐怖の塊で出来てるんだ。この状況を楽しいと思ってしまっているのは、きっとそのせい。

ガチャッ
「うわっ!!!!!!!!」
他とあまり変わらない、ある茶色の扉を開けたら、中から茶色の顔をした顔だけの物体が鬼の形相で飛び出してきた。

『人を殺めた罪は重いぞぉぉぉ!!!!!!!!!殺してただで済むと思っているのかぁぁぁぁ!!!!!!!逃げられるとでも思っているのかぁぁぁぁ!!!!!!!!』
「やっ、やめて!!!やめて!!!!」
そんなの知らない、そんなの聞きたくない、
耳をふさいで走ったけど、それは自分の中心からも聞こえてきて、もうたまらなかった。
「いやだ、そんなの!!!!!!」

バタンッ!!!
「!!」
これだ…この部屋だ…

普通の、今までと変わらない、茶色の部屋の真ん中に、今までとは違う、茶色の古風なクローゼットがあった、

少年はゆっくりと、確かめるように慎重にそれを開けた。
「見つけた…これだ…これでやっと…」

「駿くん…?」
「!!!!」
今自分が入ってきた扉から、自分そっくりの少年が入ってきた。
「追い付いた…やっと見つけた…」
「純…お前、何でついてきた……!!!」
「何で…?何でなのは駿くんでしょ?!」

何でお前まで…こんなところに…
「純はこんなとこに来ちゃだめだ!!!!!!」
「そっちこそ!!!!!なんで一人でこんなとこに来たの?!!!」
「純…」
「駿くんは、僕の、大切な双子のお兄ちゃんなんだよ??!!!」

「純……やめろ、それ以上…」

バァンッ!!!!
「……ッ??!!!」

突然、部屋の扉が全部開いた。
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