夢日記小説
□エンド、アンド、
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「いつもの場所でね。待ってる。俺たちの秘密基地でね。」
「うん。すぐ行くね。今日はどうしたの?」
「ちょっとね。言わなきゃならないことがあるんだ。」
少年は薄く笑いながら彼女を誘った。
彼女は来るだろう。彼女に見せなければならない。
俺は放課後、荷物も無視して飛び出し、秘密基地へと急いだ。地下通路には水が貯まっているらしく、走る度にピチャピチャと跳ねる音が響く。息が切れるころになると秘密基地に着いた。
ガラッ
「あれ、もう来てたんだ。私急いで来たのに私の方が遅いんだ。早いね。」
「まあね。」
そこにはいつもと変わらない、落ち着いた様子の少年が堂々と立っていた。包丁を持っていた。
「ねぇ、話したいことって?それより、服、汚れてるね。赤いシミ、いっぱい付いてるよ。」
少年は冷めた無邪気な笑顔を向けながら、俺には見えなかった場所から人型のようなものをお姫様抱っこをして持ち上げた。
「俺、殺しちゃったんだ!」
血の気のない青い肌、だらんと垂れた腕、閉じられた目。
それは、17歳、リアルタイムの俺だった。