頂物

□小説つけて頂きましたv
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仕事が終わって楽屋に戻る時に、隣のスタジオで水着の撮影をして
いたらしく、たくさんの水着があった。
そのひとつを見た瞬間、絶対に亜美に似合うと思った。
そばにいたスタイリストの人に『あれってどこに売ってるんですか
?』と聞いたらすごく驚かれた。
社員の方が来られていたらしく『もしあるのなら売ってください』
と、告げると快く売ってくれた。

幸い、昨日から亜美が泊まりに来ていた。
仕事で三時間ほど家を空けるが、終わればすぐに帰るので待ってい
て欲しいと告げた。
これに対し彼女は、『お仕事でお疲れなのに迷惑はかけたくないの
で帰ります』と言っていた。
しかし、私が『亜美に待っててもらえると思っただけで頑張れるん
です。だからいてください』と言ったら、真っ赤になってこくんと
頷いてくれた。
亜美のその可愛さに欲情したのは言うまでもない。
そんな経緯もあって、私が仕事に行く時、亜美はまだベッドで夢の中だった。
さすがに起きてるだろうかと思いながら家に帰ると、笑顔で『お帰
りなさい。お仕事お疲れさまでした』と、出迎えてくれた。

『ただいま』と告げ、亜美の華奢な体をぎゅっと抱きしめた。





早速、水着を着てみるようにすすめると、首を横に振られた。
『私以外の男が、亜美がはじめて着る水着姿を見ていいと思ってる
んですか?』
そう言うと、亜美は真っ赤になって『わかりました』と言ってくれ
た。

着替えるからと(『後ろを向いてます』と言ったら『ダメです』と
言われ)部屋を追い出された。



──ガチャ

「あの…大気、さん///」
「着替えましたか?」
「はい/// でも///」
「入りますよ?」
「っ///」

私が部屋に入ると、素早くカーテンの裏に逃げ込む亜美。
「亜美?そんなところに隠れてないでこっちにきてください」
「無理っ…です///」
本当に恥ずかしがりやだ。

私はベッドに腰かけ、亜美に手招きをする。
「せっかく着替えたんですから。見せてください」
優しくそう言うと、カーテンの裏から顔だけを覗かせる。
そんな仕種が可愛くてたまらない。
「ほらおいで。亜美」
彼女が“弱い”甘い声でわざと名前を呼ぶ。
「っ///」
「おいで」
そーっとカーテンの裏からおずおずと亜美が出てくる。

「っ!」
その姿を見て息を飲む。
亜美の透けるような白い肌に、真っ白のビキニ。

──前言撤回。
“はじめて”どころか“絶対”他の男になんか見せたくない。

「亜美」
「はいっ///」
「よく似合いますよ」
「あ、ありがとうございます///」
「すごく可愛い」
「っ///」
真っ赤になってうつむく亜美の水着姿を見つめる。

やっぱり思った通りよく似合う。
亜美は青や水色も当然似合うが、清楚な白もすごく……いい!



「〜っ/// あの、大気さん?」
「ん?」
「もぉ、着替えていいですか?///」
「駄目ですよ」
「っ///」
「おいで」
そう言って亜美をまっすぐに見つめ、すっと手を差し出す。

「亜美」
「大気…さん///」
亜美はそっと私に近づいてくる。
差し出した手に触れる彼女の小さな手をくいと引き寄せる。
「きゃっ!」
亜美は可愛い悲鳴を上げて、私の上に跨がる体勢になる。

「亜美、可愛い」
そう言いながら、亜美のボディラインをそっとなぞる。
「んっ///」
ピクリと小さく反応する亜美。

「亜美」
私は亜美の青い瞳の奥を覗きこむようにじっと見つめる。
「〜っ/// 大気さん///」
亜美も私の瞳を見つめ反らさない。
いや、反らせないと言った方が正しいだろう。

私達は互いの瞳に吸い寄せられるように、距離を近付ける。
「大気さん」
亜美の透き通った声が私の名前を紡ぎ、青い瞳が至近距離でゆっく
りと閉じられる。

「亜美」
愛しい人の名前を呼び、彼女の柔らかな唇に──

   ──おわり

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