頂物

□花火
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近所の神社である花火大会にみんなで行く事になった。
星野が『せっかくだから女子は浴衣にしろよ』と言った。
それに異論に唱える人物なんているだろうか?
いや!いるはずがない!

「だったらあたし達だけじゃなく男性陣も浴衣じゃなきゃね!」
と言ったのは、うさぎだった。

そんなわけで、待ち合わせ時間は午後五時半に神社の鳥居のところとなった。





──午後六時

待ち合わせ場所の鳥居には浴衣を来た男性五人がいた。

「あいつらおっせーなぁ」
時計を見ながら星野。

「僕もう疲れた」
げんなりと夜天。

「夜天君、大丈夫ですか?」
そんな夜天を気遣う雄一郎。

「俺、冷やしたタオルの予備があるんで良かったらどうぞ」
そう言いながら、タオルを夜天に差し出す浅沼。

「何かあったんでしょうか?連絡もないなんて…」
大気が心配そうに言って、携帯を取り出した

──その時



「「おっまたせ〜っ」」
「「「ごめんなさい!」」」
元気な少女達の声が聞こえた。

そちらに振り向いた彼らは、言おうとした言葉をのみこみ、思わず見惚れる。

うさぎは濃い青の生地に白いウサギ柄の浴衣に、ピンクの帯。
トレードマークのおだんごはいつものままに、普段はそこからストレートに下ろされた髪は、邪魔にならないようにと、くるりと円を描いてコンパクトにまとめられている。
(おだんご!やっぱすっげぇかわいい!)


美奈子は紺の生地に。ひまわり柄、帯の色はオレンジ。
髪は後ろで結って、コサージュで止めている。
トレードマークの赤いリボンはない。
(美奈、髪をアップにしてるせいかな?いつもより大人っぽい)


レイは黒の生地に牡丹柄、帯は鮮やかな朱。
ポニーテールにされた髪には帯と同じ色合いの朱色のリボンがついている。
(レイさん!似合います!くぅっ!ポニーテール!うなじ最高!)


まことは、濃いピンクの生地に色とりどりの蝶々柄、帯は緑。
髪はいつものポニーテールよりも低い位置で、左側で一纏めにされ椿を模した髪飾りが施されている。
(まこと先輩、すごく綺麗だ。いつものポニーテールもいいけど、今日の髪型も可愛い)

亜美は、白の生地に、金魚柄で帯は青。
ショートヘアの髪には、蒼にはえる鮮やかな色合いのヘアピンが留められている。
(亜美、今日は一段と可愛いですね。
髪にヘアピンを使うだけでそんな犯罪的に可愛くなるなんて…もうどうしたらいいんでしょう)

男性陣は自分の彼女を見つめ、それぞれの思いを抱く。
(夏祭り最高!)
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