short

□潔いほど、残酷
1ページ/1ページ




いつものように戦って、人を殺し、路を拓く。

いつものように棍を振るい、剣で薙いで、紋章を放つ。

いつものように屍共を踏み越えて、先へ先へと進んでいく。

それで私は何を手に入れた?

手に入れたのは、手に残るのは、黒く乾いた誰かの血のみ。

正直、それは別にそれは構わない。

私はそれを望み、そうして生きてきた。

私が生きるためには、そうしなければならないのだから。

理不尽だと言ってくれるな。

そういうものなのだと諦めて欲しい。

たとえどれだけ恨まれようと。

たとえどれだけ憎まれようと。

私は何も感じはしないし。

あなた達には何も出来はしなのだ。

あなた達の魂は私の糧でしかないのだ。

だから、これは私が生きていくために必要な行為。

人は動物の肉を喰らうだろう?

けれど人はそのことに大して罪悪感を抱くことはない。

小動物を目の前に、殺すのは可愛そうだと言うが、食肉になってしまえば誰も気にしない。

それと同じこと。

私にとってあなた達は食肉と同様なのだ。

だから私は別にどうも思わない。

それ故に罪悪感など抱きはしないのだ。

この戦いは民の為でも正義のためでもない。

他でもない私自身のための戦いだ。

己の身可愛さに、ただ人を刈り続けるのだ。

この事を知ったらなら彼らは私をどう思うのだろうか。



まあそんなことどうでもいいのだけど。








潔いほど、残酷




















.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ