03/22の日記

03:41
愛を教えて(鳴ライ)
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十四代目の名前は折原シキミ(仮)。
ゲームの時に使っていたやつなので、今後書くようなら変える予定です。
とりあえずゴウトにゃんはお父さん。
なんか無駄に長い。



葛葉四天王の一角を担う葛葉ライドウ。
その十四代目は顔の造形がすばらしく整った、おとなしく礼儀正しい、悪く云えば何を考えているかわからない人形のような子供だった。
受け答えは最低限で時々無表情で黙り込む、自分から感情を伝えることはせず、どんな傷を負っても平然として表情を変えない。
そんなもんだから最初の頃は本当に気味が悪かった。
けれど、猫のゴウトの前では時々小さく笑うこともある。
それに気づいてからよくよく観察してみると、無表情で黙り込んでいる時はどうしていいかわからなくて固まっているらしかった。
感情はわかってはいるようだが実体験が少ない分その起伏は驚くほど小さく、痛みは訓練でどうにかしたらしい。
十四代目ライドウを襲名するために幼い頃から修行しかしてこなかったというのだから、それも当たり前の反応なのかもしれない。
ヤダガラスは何を思ってこんな、感情が赤子のような子供を自分のところなんぞによこしたのか。
ひどいことをするものだと思う。

「ねえ、ライドウ。」
「はい。」
「今日は学校に行ってきたんだったよね?」
「はい。」
「何かあったかい?」
「いいえ、変わりありません。」

表情を変えずに淡々と答える子供。
その間にも俺がお願いしたコーヒーを煎れてくれている。
彼が俺のお願いに否を云うことはほとんどない。
前に理由を聞いたら、質問の意図がわからない、目上の人間に対しては敬意を払うものだと答えた。
模範的な優等生だ。
そこに自分の感情は伴っていないようだったけど。

「そう?本当に何もなかったの?」
「はい。」
「友達と何か話したり、授業で何かあったとかも?」
「はい。問題ありません。」
「うーん、問題とかじゃなくてねぇ…」
「?質問の意図がわかりません。」

ほらね。
俺が何を聞きたいのか全くわかってない。
俺が聞きたいのは、調査報告とかそういうのじゃないんだよ。
おまえが何を考えて何を見ているのかを聞きたいんだよ。
出会った当初は、絶対に抱くことはないだろうと思っていた気持ちだ。
ああ、俺に対する情操教育も含まれているのだろうか。
ま、いいか。
ライドウが煎れてくれたコーヒーを俺の前に置く。

「俺が聞きたいのは報告じゃなくて、感想。」
「感想ですか?」
「そう。何があって楽しかったとか、驚いたとかそういうこと。」
「?特に何もありませんでした。」

ライドウの隣に座っていたゴウトがなーとどこかとがめるような響きの声で鳴いた。
どうやらそれは当たっていたらしく、ライドウは小さくすいませんと謝る。
猫相手にだが。

「ライドウはゴウトちゃんと仲良しだね。」
「はい。」
「どうして?」
「ゴウトは業斗童子ですから。」
「業斗童子?」
「はい。」

なんのこっちゃ。
おそらくはデビルサマナー関係の何かなのだろうか、ヤタガラスに所属しているとはいえ、俺はただの探偵だからわからない。
あ、また業斗が鳴いてライドウが謝っている。
少し困ったような顔だ。
たぶんライドウもどこまで話していいのか、どう話せばいいのか困っているのだろう。
未だに受け答えは単調だが、どうしていいかわからず無表情で黙り込むみたいなことはなくなった。
ちゃんと伝えようとしている。
それがなんだか楽しくてついつい笑みがこぼれる。
なんだか、小さな子供を育てている気分だ。

「ライドウはかわいいね。」
「………」

あ、今度はかなり困っている。
どういう意味なのか、どう反応すればいいのかすごい考えてるんだろうな。
真剣に考えすぎて無表情になって黙り込んでる。
ほんとかわいい。

「困っている?」
「…はい。」
「そうだね。少しずつ分かっていけばいいよ。」
「何をでしょうか。」
「それもね。」





なんかそんなかんじの鳴海探偵社。
強制終了で。

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