第2書庫

□失っていく理性
1ページ/4ページ



エドワードとロイが北部の内乱鎮圧に投入されて一週間が過ぎようとしていた。
当初は小規模な紛争で軍は国家錬金術師を投入したことで争いは早期に終結すると考えていた様だが今では内乱は戦争といえるまでに拡大してしまっていた。



3.失っていく理性




戦場はエドワードが思っていた以上に最悪な状態であった。
そして、戦場という場所であるため生き延びるには相手を倒さなければならない。
エドワードはそれが嫌だった。
最初のうちはどうにか殺さないようにと必死であったが今では生き延びるために殺すことが当たり前となってしまっていた。
一度、人を殺めてしまえば後は流されるまま・・・
最前線というだけあって何人殺したのかわからない状態だった。

 「エルリック少佐!! 第二部隊が押されているそうでそうです!」

エドワードは名も知らない下士官のセリフに振り返る。
あの場所なら自分たちの部隊の方が早い。

 「わかった! オレと部隊半分を援護に向かわせる。後はこちらを頼んだ!!」

 「了解しました!」

下士官はエドワードの言葉を聞くと走り去った。

一人でも多く生き残らせなくては・・・・・・


 「第二部隊はどうなっている?」

ロイは先程の下士官の報告に状況を把握しようと質問する。

 「はっ! エルリック少佐と部隊半分が援護に回り何とか持ちこたえたようです」

ロイは下士官の言葉に一先ず安堵るす。
まだ、エドワードも生きているようだ。
今、ロイとエドワードは上官の命令により別々に部隊を引き連れ、戦場を駆けていた。

 「わかった。こちらの方も今のところは大丈夫だから第二部隊に半分援護に回らせろ」

 「わかりました!」

取り敢えず今は自分も生きることに専念しようと思いながらロイは一人でも多くの者を生き残らせるため焔を練成した。


それから暫くして戦局はこちら側に大分有利になり、この調子でいけば終局までそう掛からないだろう。
第二部隊もエドワードの援護で持ちこたえ逆に壊滅させたとの報告がロイにあった。
そして、暫くして一つの部隊が帰還した。
その中にはエドワードが居た。

 「鋼の・・・・・・?」


.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ