第2書庫

□この手にあるのは儚き祈り
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戦争が終局した後、エドワードとロイはセントラルに戻ることとなりその途中、エドワードの顔色が悪いことにロイは気付く。
本人に聞くがエドワードは大丈夫の一点張り、仕方なしにロイはエドワードをそのままにしていたのがいけなかった。
列車がセントラルのホームへ到着し二人が降りようとした時に起きた。
エドワードが倒れたのだ。




この手にあるのは儚き祈り





倒れたエドワードをロイは直ぐに抱き上げて気付いた。
顔は青白いのに凄い熱があるのだ。
直ぐに迎えに来ていた部下を呼びエドワードを病院へと連れて行くこととなった。
病院に到着すると直ぐに医師が状態を確認し病室へとエドワードを運びロイへと話しかけてきた。

 「あの子のご家族かなにかですか?」

 「一応、彼の後見人をしております」

医師はその言葉を聞いて続けて言葉を紡いだ。

 「では、彼の機械鎧(オートメイル)を外します。かなり酷使されたようですね? 機械鎧のジョイント部分から細菌が入って感染症を起こしています。直ぐに点滴を打てばなんとかなるでしょうから」

 「お願いします」

ロイは医師の言葉に頷くと返事を返し、医師は直ぐに治療に取り掛かるためエドワードの居る部屋へと戻っていった。
そして、ロイはというと迎えに来ていた部下、ハボックに話しかけた。

 「私は治療が終わるまでここに居る。すまないが、アルフォンスに連絡を取ってくれ」

 「わかりました」

ロイの言葉にハボックは直ぐに返事を返し行動に移すためその場を離れた。
一人なったロイは廊下に据え付けられている椅子へと座り一人呟いた。

 「なにが大丈夫だ。全然、大丈夫ではないじゃないか・・・」



暫くすると医師が出てきた。

 「取り敢えず今、点滴を打ちましたので大丈夫でしょう。ただ、まだ熱が出ているので面会されるのでしたらあまり無理をなさらないようにしてください。かなり、無理をしていた様子ですから」

医師はロイに伝えるとその場を去り、ロイはエドワードの居る部屋へと入って行った。
すると、エドワードは意識があるようで扉の音に気がついたようでそちらへと顔を向けた。

 「だれ?」

その言葉にロイは苦笑し返事を返した。

 「私だ」

その声にエドワードはバツが悪そうに顔を背けた。

 「大佐か・・・」

 「大佐か・・・じゃない、君は馬鹿か。何でもとっと早くに言わない」

エドワードの態度にロイは不機嫌そうに答えた。
ロイの台詞にエドワードは苦笑すると

 「本当に大丈夫だと思ったんだよ。まさか、感染症を起こしているとは思わなかった」

エドワードはそう言うと今は取り外している自分の機械鎧(オートメイル)のあった部分を見た。




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