第2書庫

□屍の上に立つ兵器
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ロイの言葉に焦点の合っていない瞳が見開かれる。
ロイの正気を取り戻せという言葉にエドワードは我に返る。

 「とにかく今は生きるんだ。考えるのはそれからだ。そうしないと命を落とすぞ。エドワード、君は弟の・・・いや、自分たちの身体を元に戻すのだろ? だから、生きろ!」

 「・・・ありがとう、大佐。もう、大丈夫だから・・・・・・なんか、オレこっちに来てから大佐に頼りっぱなしだ・・・駄目だな、しっかりしないと」

エドワードは苦笑しながらそう答えると戻ろうと言って前を歩き出した。
そんな後ろ姿をロイは見つめながら後へと続く。

 「そんなことはない誰しもこんな場所へ来ればそうなるさ、君が気にすることではないよ」

エデワードはその言葉を後ろ越しに聞きいた後、後ろを振り返る。

 「大佐もそうだったのか?」

疑問に思ったことを言葉にする。
その言葉を聞いたロイはバツが悪そうに

 「まぁな、私の場合はヒューズだが・・・あいつにはよく助けられた」

イシュバールの内乱へ駆り出された時のことを思い出しながらロイは答えた。
ヒューズの他愛のない彼女自慢などが殆どだったがその他愛もない話が戦場に居た時はなによりもロイの助けとなった。

 「へぇー、あんたもそういうところがあったって不思議だな」

先程の様子が嘘だったようにエドワードは笑顔を見せた。
そんな様子のエドワードにロイも笑顔が零れる。

 「失礼な」

 「だってオレ、見たことないんだから仕様がないだろ」

ここが戦場であることを忘れるような穏やかな時間。
こんな時間がずっと続けばいいのに・・・

 「確かに君だけにはあまり見られたくないな」

 「なんだよそれ! 」

エドワードはちょっとはオレにも弱い所を見せろ! と言った。
そんなエドワードの言葉にロイは笑った。
そして、ロイの姿にエドワードは怒った。

 「なんで笑うんだよ!!」

 「いや、面白いことを言うなと思って・・・」

ロイはエドワード、子供ならではの発想に驚くと同時に笑みが零れた。
しかし、エドワードは笑われたことに顔を真っ赤にして抗議した。

 「面白いってどういうことだよ。思ったことを言っただけじゃねーか・・・オレばっかり助けられてばっかりじゃなんかイヤだし・・・」

エドワードの素直な言葉にロイは嬉しく思った。

 「ありがとう。私は大丈夫だよ、何年軍人をしていると思っているんだ」

 「軍人である前にあんたも人だ。こんなこと大丈夫で片付けられるわけねーだろ」

 エドワードは真剣な眼差しでロイを見つめた。




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