第2書庫

□この手にあるのは儚き祈り
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そして、二人は暫くエドワードを使い(もとい玩具に・・・)談笑を楽しんだ。



 「それじゃあ、私はこれで失礼するよ。今日は楽しかったよ。鋼の」

ロイは部屋の扉の前に立ちにこやかにエドワードに言った。
そんな姿をエドワードは目が見えなくてもありありと想像できて不貞腐れたようにそっぽを向いた。

 「オレは全然楽しくねー。さっさと帰れ」

 「ちょっ、兄さん失礼でしょ。大佐、今日はありがとうございました」

アルフォンスはエドワードを窘めると深々とお辞儀をした。

 「いや、私も生き抜きに来ただけだから気にしなくていいよ」

そんな、アルフォンスに気にせぬようにロイは言うと部屋を出て行った。



※※※



それから数日してエドワードは医師より退院の許可を出て司令部へと来ていた。
視力の方はまだ、完全には回復していないが旅をするには支障はないだろうし外の風景を見た方が回復も早いだろうとの医師の判断だった。
実際の所、エドワードがあまりにも煩かったため医師が折れたということもあるが・・・

 「ちわーっす、大佐居る?」

エドワードは司令部の扉を開けると開口一番に言い、それをアルフォンスは注意した。
そこへちょうどホークアイが気付きエドワードの方へとやって来た。

 「あら、エドワード君、もう大丈夫なの?」

突然の訪問者にホークアイはにこやかに話しかけてきた。
そして、それに気付いた他の軍部の面々もエドワードへと寄って来た。

 「大将、久しぶりだなぁ〜 元気になったか? 皆、心配してたんだぞ」

ハボックの言葉にエドワードは照れくさそうに頭をかいた。

 「あはは、ゴメン・・・心配かけて。まだ、視力が完全には回復してないけどもう大丈夫だよ」

エドワードはそんな皆を心配させないように笑って答えた。
そんな、エドワードを見て皆は微笑み返し、ハボックはエドワードの頭を豪快に撫でた。

 「おっ、オイ・・・髪がグシャグシャになるじゃねーか。少尉」

慌てて、エドワードはハボックの行動を止めようとする。
そこへ、ちょうど書類を持ってロイが現れた。

 「なにをしているんだ? ・・・鋼の? 来ていたのか。ハボックで見えなかった」

ちょうどハボックが死角になっておりエドワードが見えずロイはポツリと言った。
その言葉を聞いたエドワードは顔を真っ赤にして怒鳴り上げた。

 「誰が踏まれても見えないほどのミジンコドちびかぁぁぁー!!」

 「「「そこまで言ってないって・・・」」」

ロイ以外の皆がエドワードに対して突っ込みを入れる。





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