第2書庫
□2.鋼VS焔・・・?
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『ごめんなさいね。こちらも、気になって仕事に手がつかない馬鹿がいるから支障をきたして困ってるの、エドワード君には悪いけどお願いするわ』
「・・・あはは・・・・・・」
ホークアイの上司に対する発言にアルフォンスは内心、数日後のロイの安否がどうなるのか気になったのは言うまでもない。
その後、アルフォンスはホークアイと二、三話をすると兄であるエドワードと東方司令部へ帰還する為、先に宿を引き払う手続きを取るとアルフォンスはエドワードのいる部屋へと引き返しのだった。
■□■□■
それから、数日後。
アルフォンスはなんとかエドワードを汽車に乗せ、東方司令部のお膝元であるイーストシティへと戻って来る事が出来た。
出来たのだが・・・
「・・・兄さん大丈夫?」
「腹が減りすぎて腹と背中がくっ付きそう・・・」
元々、旅費が底を突きかけていたところに差し止められてしまった為、汽車の切符を買う事はなんとか出来たがエドワードの食費が足りない状況となってしまいここ二日程エドワードはまともに食事を取る事が出来なかったのだ。
「・・・歩きたくない」
「にっ、兄さん!そんな事言わずに頑張ろうよ!!」
これ以上、余計な体力を使いたくないエドワードは駅のホームで座り込んでしまい、その行動にアルフォンスは慌ててなんとかしようと励ましてみるもののエドワードは微動だにしない。これでは、埒が明かないと思ったアルフォンスはへたばるエドワードを担いだ。これにはエドワードも驚き声をあげた。
「あっ、アル!いきなり何すんだッ!!」
「こんなんじゃあ、何時まで経っても司令部に辿り着けないでしょ!」
「オレは行〜か〜な〜いぃ〜ッ!」
「兄さん?誰の所為でこんな事になったのかなぁ〜?」
「ゔっ・・・!」
今だに行きたくないと駄々っ子のようにエドワードはじたばたと暴れていたがしかし、アルフォンスの一言で怯えるようにぴたりと暴れるのを止めそのまま司令部へと向かう事となったのだった。
アルフォンスの静かな怒りからエドワードが静かになって数十分、司令部に辿り着いたエドワード達は司令室に居るであろうホークアイに会う為、そちらへと向かった。
「こんにちは。ホークアイ中尉は居ますか?」
司令室の扉を開けひょっこりと顔を出しアルフォンスは探し人であるホークアイを探すとその人物、ホークアイが声を掛けた。
「あら、アルフォンス君いらっしゃい」
「お久しぶりです中尉」
ホークアイを見つけたアルフォンスは扉を開け、中に入ると言葉とともにお辞儀をした。
「久しぶりね。そういえば、エドワード君の姿が見えないようだけど・・・?」
一緒に居るはずのエドワードが見当たらず首を傾げるホークアイにアルフォンスは『あはは・・・』と笑いながら指を指し示した。
「実はここ数日、まともに食事をしてなくて・・・」
「あら・・・」
「お〜い、大将大丈夫かぁ?」
アルフォンスの言葉にホークアイは驚き、先程まで傍観を決め込んでいたハボックもアルフォンスに脇に抱えられぐったりするエドワードに声を掛けた。
しかし、その声に返事はなくハボックは内心、大丈夫か?と思ってしまった。
そんな様子を見ていたホークアイは一つ溜め息を吐き出すとハボックへと指示を出した。
「ハボック少尉、エドワード君をお願いするわ。手筈はさっき話た通りに。後、大佐に悟られるといけないから演習には遅れない事」
「りょ〜かい。んじゃ、アル大将借りてくぞ」
「?あっ、はい」
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